平成24年9月県議会開会

19日(水)県議会9月定例会が開会した。
知事の提案理由の説明の後、自民党から竹島尖閣諸島の非難決議案を提出し賛成多数で可決された。
国会の決議と同じく共産党社民党関係の県民クラブ(田村輝雄、坂本茂雄県議)が反対し共産党の中根さち県議が反対討論を行い、私が賛成討論を行った。
中国で反日暴動が起こっている絶好のタイミングで可決されたので、少し長いが私の賛成討論の全文を掲載する。

賛成討論
私は、自由民主党を代表して只今議題となりました議発第二号「李明博韓国大統領の竹島上陸と天皇陛下に関する発言に抗議する決議案」ならびに議発第三号「香港の民間活動家による尖閣諸島不法上陸に関する決議案」に賛成の立場から討論を行います。
両決議案と同趣旨の決議案は共に国会においては衆議院が八月二十四日に、参議院が八月二十九日にいずれも賛成多数で可決されております。
外交は国の専権事項であるとはいえ、領土問題については地方議会からも確固たる決議で意思表示を早急にすることが必要であると考えて提出したものであります。
はじめに第二号の竹島問題についてであります。
竹島が日本固有の領土であることは国会決議においても「歴史的にも国際法上も疑いはない」とされ、「韓国は、一九五二年、いわゆる「李承晩ライン」を国際法に反して一方的に設定し、同ラインの内側の広大な水域への漁業管轄権を一方的に主張するとともに、そのライン内に竹島を取り込んだ。」と書かれているとおりですので歴史的な経緯については繰り返しません。
韓国の李明博大統領は、去る八月十日に韓国が不法占拠している日本固有の領土である島根県竹島に上陸しました。それ以降、李明博氏は、韓国大統領としての資質を疑うほどの常軌を逸した発言や挑発を繰り返しています。
このことは友好国としてこれまでに連綿と築きあげられてきた日韓の信頼関係を根底から覆すものであると言わざるを得ません。
さらに、李明博大統領は、十四日、天皇陛下の韓国訪問に言及し、「韓国を訪問したいなら、独立運動で亡くなった方々に対し心からの謝罪をする必要がある」と述べています。
そもそも、天皇陛下の韓国訪問については、李明博大統領が平成二十年に来日した際、両陛下に直接招請したものであるにもかかわらず、今回、謝罪がなければ「訪韓の必要がない」などと発言することは、日本国民にとって統合の象徴である天皇陛下に対して極めて礼を失するものであり、到底容認することはできません。
心から謝罪の上、発言の撤回を強く求めるものであります。
今回の李明博大統領の拙速な行動と発言の背景には、今年の四月三十日に、大統領側近のトップが、また、五月三日には、側近の一人が収賄罪で逮捕され、さらには、七月十日、今度は実兄である李相得(イサンドク)前議員が同じく収賄罪で逮捕されるに及び、国民の関心を早急に事件からそらす必要があったのではないかとの報道がありました。
とくに四月三十日に逮捕された前放送通信委員長崔時仲(チェ・シジュン)は、李明博大統領の「政治的な父」とも呼ばれた最側近で、事業認可に絡んで不正資金を受け取ったとして起訴され、九月十四日、ソウル中央地裁は、懲役二年六月、追徴金六億ウォン(約四二00万円)の実刑判決を言い渡した。と報道されております。
今回、李明博大統領が上陸したことを契機に竹島では新たな工事が進み、去る八月十九日には大統領直筆の石碑の除幕式が計画されるなど、今や韓国の行動は歯止めが効かなくなっています。
これに対して日本国政府は、竹島問題の重要性に鑑み、断固たる決意を持って、国際司法裁判所への単独提訴や日韓スワップ協定更新の見直しなど、竹島問題解決に有効な対韓政策の総合的見直しを図るべきであると思います。
我々は、韓国を重要な隣国として引き続き親密な友好関係を保ってゆかなければならないと考えており、そのためにも李明博大統領をはじめとする韓国政府要人及び、韓国国民に賢明かつ冷静な対応をすることを強く求め、この決議案に賛同するものであります。

次に第三号の尖閣諸島についてであります。
国会決議において、
尖閣諸島は我が国固有の領土である。これは歴史的にも国際法上も疑いはない。また、現に我が国は尖閣諸島を有効に支配している。したがって、尖閣諸島を巡り解決すべき領有権の問題はそもそも存在しない。」とされております。
日本が尖閣諸島を我が国の領土として諸国に宣言したのは明治二十八年(一八九五年)のことであります。
その経緯は明治十八年以降、日本は再三にわたり尖閣諸島の現地調査を行い、無人島であること、当時、清国であった中国の支配下にないことを確認した上で、明治二十八年一月十四日、現地に標杭を建てて正式に日本の領土と確定することを閣議決定いたしました。
我が国は当時の国際法で、どの国にも支配されたことがなかった島を領有するために必要とされていた手続きを踏んで尖閣諸島を領土としたのであります。
昭和二十年八月の敗戦からの一時期、尖閣諸島は、沖縄を含む南西諸島の一部としてアメリカの施政権下におかれましたが、この間ずっとどの国からもクレームはなく、昭和四十六年の沖縄返還協定によって、尖閣諸島は晴れて日本への帰属をはたしております。
中国が尖閣諸島の領有権を主張し始めたのは、昭和四十三年(一九六八年)日本、中華民国、韓国の海洋専門家が中心となり、国連アジア極東経済委員会の協力を得て、東シナ海一帯にわたって海底の学術調査を行った結果、東シナ海の大陸棚には、石油資源が埋蔵されている可能性が指摘された一九七〇年代以降のことであります。
中国は数年前からこの海域に中国国家海洋局のパトロール船や漁業監視船、そして漁船などを出して活発な活動を開始し、日本の海上保安庁とたびたび衝突を繰り返しております。
本年八月十五日には香港の民間活動家で組織する「保釣行動委員会」の船が海上保安庁巡視船による警告・制止を振り切り、我が国の領海に侵入し、乗組員十四名の内七名が魚釣島に不法上陸しました。
これに対して、日本国政府は不法入国容疑のみで全員を逮捕したのち、強制送還いたしました。
中国船上から海上保安庁の巡視船にレンガのようなものが投げつけられる映像が流れ、この行為に公務執行妨害罪を適用しなかった政府の対応について批判があり、中国に対して誤ったメッセージを与えた可能性があります。
日本国政府はこうした違法行為に対して国内法令に則り厳正に対処するとともに、こうした事態が二度と再発しないよう、中国・香港当局に対して厳重な申し入れを行い、更には、尖閣諸島の有効支配を引き続き確実なものにしてゆくための警備体制の強化を含めあらゆる手立てを尽くすことを強く求めるものであります。
野田内閣は九月十一日に尖閣諸島の前所有者から所有権を譲り受けて日本国領土としての登記を済ませました。
このあと、中国国内で反日デモが続発し、一部地域では暴徒化して日本人に対する暴行事件も発生しております。
この反日デモは、党と軍が支配する中国においてこれらの機関の関与なしに連続して拡大することはありえないとの見方があります。
中国に詳しい方の話では、今回のデモで用意された横断幕の形や、書かれているスローガンはほぼ統一されており、しかも、かならず毛沢東の肖像画を先頭に掲げており、琉球奪還という標語も共通しているということであります。
また、中国は次の国家主席に決まったとみられている習近平氏が九月初めから消息不明で、二週間後の九月十五日に元気な姿で現れたとの中国国営メディアの報道があったとはいえ、その間米国国務長官ヒラリー・クリントン氏との会談をはじめ各国要人との会談を次々とキャンセルしたにもかかわらず、消息が不明であったことの説明はないという非常に理解しにくい国であります。
先に紹介したようにこの反日デモでは「琉球奪還」という標語を掲げており、人民解放軍の高官もしばしばその発言をしております。
中国は南シナ海において、昭和六十三年(一九八八年)三月にベトナムとの間で南沙諸島の領有権をめぐり軍事衝突を起こし、ベトナム海軍の哨戒艇などが撃沈され七十数名が戦死しております。
この戦いによって中国はいくつかの岩礁またはサンゴ礁を自国の領土としております。
今後、尖閣諸島で同様な行動を起こす可能性があり、ここで日本国政府が尖閣諸島の領有権の主張を諸外国に対して強く宣言し、かつ行動しなければ尖閣諸島という我が国固有の領土を守ることはできません。
まさに、領土領海が侵されようとしている国家的危機の時であります。
おもえばこの三年間で隣国である韓国、中国、ロシアとの外交関係は最悪の状態となり、同盟国である米国との信頼関係も低下しています。
我々は、戦後最悪の状態となった日本の外交を立て直すためにも、官民挙げて全力を尽くさなければなりません。
韓国・中国の国民には一部の反日運動に迎合することなく冷静な判断を求めるものであります。
そして、我が国は、領土・領域の保全を全うし、我が国の国益を、断固として守っていくべきではないでしょうか。
何卒、両決議案に対する同僚議員各位のご賛同を賜りますようお願い申し上げ賛成討論といたします。