中国が尖閣で軍事行動活発化

昨年12月半ばから中国が尖閣諸島で活動を活発化させ、空軍による領空侵犯が頻発している。
1月15日の産経新聞は一面で「中国『戦争準備せよ』解放軍指示」と大きな見出しを載せている。
その内容は、中国人民解放軍を指揮する総参謀部が全軍に対し、2013年の任務について「戦争の準備をせよ」との指示を出していたことが明らかになったというものである。
その記事に「中国軍事科学学会の副秘書長・羅援少将などが主戦論を繰り広げている。」とあるが羅援少将はこれまでにも、何度も対日強硬論を主張している。
中国では昨年、習近平国家主席になったが、李克強首相との間で権力争いが相変わらず続いており、習近平体制が安定していないとの情報があり、それが影響していると同時に、軍に対する党の政治指導力が弱くなっているのではないかと私は推測している。
しかし、民主党政権下で弱体化したと見られている日米安保体制を立て直し、日米の同盟関係を強化すれば中国軍の通常戦争遂行能力は日米より弱いと思われるので、中国軍は軽はずみな行動には出ないであろう。
しかし、米国は、領土問題は二国間の問題だというのが基本的な態度であり、クリントン国務長官が、尖閣諸島日米安保の範疇に入ると発言したとはいえ、尖閣諸島で日中が衝突した時に米軍が即座に行動に出ることは期待しないほうがいいだろうと思う。
昨年の衆議院選挙の最中に安倍総裁が「憲法改正国防軍の設立」を訴えると、自民党支持者からも強調しすぎだという意見があった。
私は、それは米国でオバマ政権が2期目に入り、日本の防衛に関して、これまでのように在日米軍に対する基地の提供や金銭的負担だけではなく、汗をかけ、つまり日本の防衛予算を増やして防衛力を強化せよという要求に対するアピールであると言ってきた。
米国は自国の財政問題から国防予算を減少せざるを得ない。
また、数年前からシェールガス・オイルが国内で商業ペースに乗り、外国の原油に頼る必要性が大幅に減少しており、2011年の中東からの原油輸入量は消費量の22%であるとの資料があるが、今後急速に減っていき十数年後には石油輸出国になると云われている。
中東の原油に頼る必要がなければ米海軍第5艦隊を中東に張り付けておく必要はないという意見が出ており、それで困るのは日本だ。
今でも原油輸入の80%はホルムズ海峡を通ってくる。
昨年9月、ペルシャ湾で米海軍を中心として30か国が参加した合同掃海訓練が行われ、海上自衛隊掃海母艦「うらが」と第51掃海隊(横須賀基地)の掃海艦「はちじょう」が参加した。
この訓練はイランによるホルムズ海峡封鎖を想定した合同掃海訓練だったようだ、日本の掃海技術は世界一だそうだが米海軍の援護なくして掃海活動は出来ない。
今、米国の世界戦略の変更に伴い、日本の防衛体制の見直しが求められている。
自民党民主党政権化の平成22年に作成された「22防衛大綱」と「22中期防衛力整備計画」の見直し作業に入っている。
私は、自分の国は自分で守るという当たり前のことを対外的に示すべきだと考えている。