議会運営委員会県外調査その2

二日目は宮城県、午前8時50分盛岡駅発の新幹線で仙台へ移動、約40分の乗車時間であった。

仙台駅から貸切バスで津波被害を受けた東松島市の野蒜駅周辺を視察、この地域は岩盤が固く、高台の造成工事が遅れているとのことで、転出している住民の戻りが遅いとのことであった。
続いて石巻市を視察、港の近くにある国交省の建物に、一階の天井部分まで津波が来たとの表示があった。
近くの工場は最近になって稼働し始めたということで活気があったが、その近くの住宅地であった場所は人家はまばら、しかも半壊したままの住家が目立つ(下の写真)、

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3年半の間片付けられない理由は一家全滅で取り壊しの承認を得ることが出来ないからだそうである。
門脇地区の小学校の近くに供養の地蔵が建立されていたのでお参りした。

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ここは青山学院大学の学生がバスで視察に訪れていた。(下の写真、後ろの建物が小学校)
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この小学校は鉄筋三階建て、津波は校舎を超えたそうだ。裏が山になっているので山にぶつかって津波が盛り上がったのであろう。
小学校の子供達は裏の高台に避難して死者はいなかったとのことである。
ここにもポツンと一軒だけ家があった。
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バスガイドさんの話では、石巻市は震災前の人口が約23万人であったが、現在はその半分近くになっているとの話であったが、後で県議さんに聞いたら、そこまでは落ち込んでいないとの事であった。
午後2時前に宮城県庁に到着し、菅原久吉議会事務局長、菅原議事課長、泉政務調査課長から説明を受けた、冒頭、菅原事務局長は、高知県から現在も8名の県職員さんに応援に来て頂いている事を感謝しますとの話があった。3:30終了。
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午後4時から、被災した渥美巖県議会副議長(東松島市選挙区)、安部孝県議会議員(松島市)、佐藤光県議会議員(塩釜市選挙区)から説明を受けた。
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(写真左から佐藤議員、渥美副議長、安部議員)
それぞれの発言で印象に残った事を記す。
渥美副議長は、宮城県は過去何度も津波に襲われた歴史があるが、これほどの津波が来るとは全く予測していなかった。私は過去の宮城沖地震震度6強地震を1日に3回受けた経験があり、当日もこれは凄い地震だとは思ったが、これほどの津波は予想出来なかった。
発災後は、東松島市は県議は自分一人であったので、東松島市の災害対策本部のオブザーバーとして位置付けてくれたので以後の活動がしやすかった。この位置付けがなかった地域は活動に支障が生じたと思う。
また、県職員と市職員との直接の交渉は、両職員とも混乱している状況があり、問題が起きやすいので出来るだけ自分が間に入って行った。普段から県職員を市町村に常駐させて意思疎通を図ることが大切だと思う。
安部県議からは、発災時の午後2時46分から午後5時くらいまでは携帯電話が使えたので地元の状況は電話で確認し、県下全体の状況は車のテレビニュースで情報をとった。
発災当初は水、食料、ガソリンが足りなかった。県議会で特別委員会を立ち上げ、その委員会活動として位置付けられたので、県議の自家用車を緊急車両として警察が認定してくれたので、各地を回ることが出来たし、ガソリンも優先的に配給を受けることが出来た。緊急車両としての認定申請は、法的根拠がないとして当初県警は難色を示したが、検察庁が特別委員会の活動との理由付で3日後に(震災から1週間後?)許可がおりた。
県議の仕事は避難所に足りない物資の情報などを県に伝えるのが大きな仕事である。
佐藤議員からは、ガソリンの他にも赤ちゃんのミルクとオムツが足りなかった。
携帯電話の充電器はソーラー仕様が良い。
避難所ごとに不足している物資にばらつきがあるのでその情報を県に上げた。
住民に対応する市町村職員の健康を考える必要がある、彼らは限界まで活動せざるを得ない状況に追い込まれる。
震災で携帯電話の中継アンテナが大きな被害を受けたので、震災後はアンテナの設置場所を津波に襲われない高台に上げた。
以上が3人の県議さんの発言でで印象に残ったお話である。当初の予定時間1時間を10分ほどオーバーしたが、実体験に基づいた貴重なお話を聞くことが出来た。
また、この後行われた懇親会には渥美、安部、佐藤県議に加えて安藤俊威県議会議長も参加して頂き、4名の宮城県議から貴重なお話を聞くことが出来た。