鈴木商店「お家さん」と金子直吉

玉岡かおるさんの書いた小説「お家さん」(新潮文庫上下巻)を薦めてくれたのは、県議会図書室の職員であった。
9日(金)に図書室に行ったら、今夜のテレビでこの本が原作のテレビドラマが放映されるという話であった。
その夜、2時間30分にわたるテレビドラマを見た、今まで知らなかった鈴木商店の人間模様が描かれていた。
鈴木商店は明治、大正、昭和の初めにかけて、三井、三菱を抜いて日本一の商社となった大会社であり、大番頭の金子直吉高知県出身である。
私が25歳くらいの頃であった、友人から紹介された同年代の方が神戸製鋼の社員で、神戸製鋼鈴木商店が元になっている関係で高知県出身者が多いと聞いた。
その時に、城山三郎の書いた「鼠、鈴木商店焼き討ち事件」を読んだ後であったかどうかは記憶が定かでない。この本はその後2度ばかりこの本を読み返した。
「鼠」は商人・金子直吉の素晴らしさを描いているが、その人となりについては今一よくつかめていなかった。
「お家さん」は鈴木商店の女主人鈴木よねの目を通して、金子直吉を始め鈴木商店の社員とその妻の活躍を描いている。
2010年にこの本は出版されたようだが全く知らなかった。
見方によってこれだけ人間が活き活きと描けるのかと感心した、本当に面白い小説である。
written by iHatenaSync