日本海軍戦闘機「紫電改」

宿毛湾の北側、愛媛県愛南町の馬瀬公園に、昭和20年7月24日にこの公園から見える久良湾に不時着した日本海軍第343航空隊(松山航空隊)、通称「剣部隊」所属の戦闘機「紫電改」が、昭和54年(1979年)7月14日に引き揚げられて展示されており、私は時々訪れる。
昨年末に訪れたら正月休みで閉館であった、今日は天気もそこそこなのでスクーターで行った、やっぱり寒かった。
この海軍第343航空隊は、大東亜戦争の末期、昭和20年1月に源田実海軍大佐によって創隊され、3月19日の松山市上空の戦闘から終戦まで、常に数倍から数十倍の米海軍、海兵隊戦闘機を相手にすばらしい成果を挙げた航空隊であった。
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昨年8月と9月にこの紫電改のパイロットの特集があったという事を、同僚県議から昨年12月に聞いた。
インターネットで調べてみるとBS NHKで放映されていた内容は、この紫電改のパイロットを武藤金義海軍少尉と推測し、そしてこれを撃墜した米軍パイロット、また武藤少尉が中国大陸で撃墜した中国軍パイロットの3名のパイロットの特集であったようだ。
この紫電改が撃墜された日に戦死した海軍第343航空隊のパイロットは6名おり、そのうち墜落状況その他の状況から判断して、この飛行機のパイロットは武藤金義少尉であろうと推測されてはいたが、NHKの番組はこのパイロットが武藤少尉であろうとの前提で番組を組み立てていたと聞いた。
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それを聞いて、ぜひ近いうちに訪ねて碇義朗氏の著書「紫電改の6機」を購入したいと思って出かけたのである。
目的の本はなかったが、それ以上の本があった。
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この本は高木晃治氏とヘンリー境田氏の共著、「源田の剣」の意味は、海軍第343航空隊の創立者で司令官の元海軍大佐源田実氏(戦後参議院議員)と、通称の剣部隊から由来している。
米海軍、海兵隊の戦闘記録を丹念に調べて日本側の戦闘記録と照合しており、読み応えがある。
初めは2003年8月に発行されており、昨年2014年7月に再発行された改訂増補版である。
638ページの大著で値段も4,536円するが素晴らしい本である。
この本でも、この紫電改のパイロットは武藤金義少尉であると推測している。