オスプレイの事故

ハワイで訓練中の米国海兵隊オスプレイが着陸時に事故を起こし、1名死亡との報道が流れるやいなや、日本のマスコミはオスプレイ批判一色である。高知新聞などは「欠格機」と大見出しをつけて報道している。
中国の反オスプレイ工作が日本国内にいかに浸透しているかをあらためて印象づけた。
中国にとって、東シナ海南シナ海で領土拡張行動を続けるなかで最大の懸念が米海兵隊オスプレイの存在だ。
ここで、あらためてオスプレイの事故率などを防衛省が発表した2012年版の「MVー22オスプレイ 事故率について」という文書で紹介する。
その資料によると2003年10月1日から2012年4月11日までの間の飛行時間は103,519時間、クラスAの事故は2件、事故率1.93となっている。
米国海兵隊の平均事故率は2.45なので、オスプレイの事故率は平均より低い。
クラスAの事故とは、被害総額が200万ドル以上、航空機の損壊、あるいは、死亡または全身不随にいたる傷害もしくは職業に起因する病気等をひき起こした場合とされている。
また、米空軍が使用するCVー22オスプレイは特殊作戦に使用されるため事故の可能性も高くなると言われている。
なお、オスプレイの事故は3年ぶりと報道されているので、この2012年9月発表の数字以来だと思う。
一般的に言って、通常の航空機より垂直離着陸の航空機のほうが操縦が難しいといわれている。
AV-8Bハリアー戦闘攻撃機の離着陸時の操縦の難しさはよく引き合いに出される。ハリアーから比べるとオスプレイは操縦の一部をコンピューターが代行するので、はるかにやさしいといわれている。
それでもオスプレイの事故の多くは人為的なミスであると判定されている。
軍用機は民間機とは比べ物にならないような状況の中で行動するのて、事故の可能性は民間機よりは高い。
航空自衛隊パイロットの家族が、大変緊張した思いで毎日を過ごしていることをあらためて思った。