祝辞は、先月発行された日本の素晴らしさを書いた二冊の本の紹介をした。
一冊めはヘンリー・スコット・ストークス氏(元フィナンシャル・タイムズ東京支局長)の書いた
「英国人記者が見た 世界に比類なき日本文化」
ストークス氏は「和の心こそ、日本の最大の長所である」と絶賛する。
確かに、聖徳太子の「和を以て貴しとなす」という教えは素晴らしいが、それが外交と言う場ではマイナスに作用する面があるので、そこをどう話すかの問題がある。
また、「日本人ほど着物から、料理、食器まで日常生活の中で美意識が発達している国民は他にいない。」との話についてもふれた。
「日本は経済は停滞していても、他国がうらやむほど国民の質が高いことに、私は感銘を受けた。多くの国々では経済的な格差が危機的に拡大しているにも関わらず、日本国民の貧富の差は驚くほど小さい。日本社会は秩序と調和が保たれている。2011年の東日本大震災からの復興を見れば、この国が度重なる戦争や天災から立ち直ってきた国だということを改めて実感する。」という文を紹介し、
ハーバード大学経営大学院のイーサン・バーンスタイン助教授が、JR東日本の新幹線の清掃業務を請け負っている会社「テッセイ」を教材にした話、テッセイは新幹線が東京駅に到着してから出発するまでの時間で清掃できる時間はわずか7分、1チーム22人で11チームが完璧に仕事をこなす。しかも自分の仕事に誇りを持っている。
「7分間の奇跡」と呼ばれている。
そして、ハーバードの多くの教授が日本の強みとして指摘したのは、「人的資本」である。つまり日本の強みは日本人だ、ということだ。日本人に囲まれて日本人として暮らしている私たちには気がつかないが、海外から見ると、日本人は次の6つの点において突出していると言う。
①「高い教育水準」
2013年のOECDの「国際成人力調査」で、読解力と数的思考力の国別平均得点で共に1位を取っている。
②「分析的な特性」
トヨタと日産の社員の分析力を高く評価し、それが日本の車の高評価に繋がっている。
③「美意識、美的センスが高い」
美的センスは努力しても簡単に身に付くものではない、日本人には備わっている。
④人を大切にするマインドと改善の精神、
カシーク・ラマンナ准教授は「欧米の企業は、日本企業から『社員を人間として大切にする企業文化』を学ぶべきだと力説する。それが日本企業の成長を支えてきた源泉であり、日本はそれを決して失ってはいけないというのだ。」
「改善」について、日本の製造業はモノマネから始まったが、元より以上の別物を作る技術を持つに至った。
⑤「環境意識と自然観」
PM2.5が蔓延する中国と日本の差は歴然としている。
⑥「社会意識」
格差が拡大するばかりのグローバル社会の中で、「金儲けよりも公益」と言う考え方が見直されている。
以上の話を紹介した。
会場は椅子を追加するほどの盛況で300名を超えていたと思う。
二部の講師は沖縄で保守の活動を行っている、我那覇真子さん、演題は「沖縄メディアは死んでも報じたくない」
以前、彼女の書いた本を読みよく勉強していると感心した。
本日の話は、昨年、2015年9月21日からスイスのジュネーブで開かれた国連人権理事会で、翁長知事が米軍普天間基地の辺野古移設問題をめぐって政府を批判した英語で演説した内容と、それに対して我那覇さんが反対演説をした話だった。
我那覇さんの英語の発音は、翁長知事とは比べものにならないほど素晴らしかった。
これだけでも我那覇さんの勝ちだ。
前日の歓迎会も盛り上がった。(下の写真)