憲法記念日、憲法改正を推進する集会

私は今年3月に「美しい日本の憲法をつくる高知県民の会」の代表となった。

この団体の主催で憲法記念日に、日本政策研究センター伊藤哲夫代表を招いて講演会を行い、私は会の初めに主催者挨拶を述べた。その要旨を以下に掲載します。

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はじめに、憲法改正に対する各社世論調査結果を紹介した。

NHK 賛成27%、反対31%、どちらとも言えない38%

FNN・産経 賛成45.5%、反対45.5%、わからない・言えない 9%

共同通信

(安倍内閣の下での憲法改正に賛成か反対か)

賛成33.4%、反対56.5%、分からない8.3%

この結果のように、憲法改正は容易ではない。

 

安倍首相が集団的自衛権の限定的容認に踏み切ったのは2013年9月にオバマ大統領が「アメリカは世界の警察官ではない」と述べたことが要因だ。

その背景には米国の軍事費削減がある。

2012年から2021年までの10年間で4,870億ドル(約50兆円)の削減する財政管理法が提案されたが、連邦議会で合意が出来ず、2013年歳出強制削減措置が発効し、2013年から2021年で4,920億ドルの軍事費削減が決まった。

年間約5兆円、日本の防衛予算に匹敵する。

また、人員の削減は10万2千人(陸軍56万2千人から49万人、海兵隊20万2千人から18万2千人、海軍、空軍で1万4百人)

米国は軍事費削減に伴い、米国が世界の秩序を守れなくなったので極東アジアについては日本に対し、それ相応の防衛分担を求めたのである。

それでは、集団的自衛権の限定的容認、安保関連法制の審議における自民党の主張はどうであったか。

まず野党の主張する「立憲主義に反する」とはどういうことか。

清宮四郎教授の「近代立憲主義とは国民の自由のために、君主の専制権力に制約を加え、国民参政、基本権の保障、権力分立、法の支配などの原則を実現する国家体制を要請する。」との説を紹介し、現憲法では基本的人権の保障(11条、12条)、法定手続きの保障(31条)などに規定されている。

それでは国民の平和的生存権についてはどうか。

自民党高村正彦副総裁は集団的自衛権憲法解釈について次のように述べている、「憲法は、 国民を主権者としている。 憲法とは、国民が、自らの生存を預けるために、為政者と結ぶ基本契約である。それが立憲主義である。ならば、国民の生存を傷つけるような憲法解釈があってはならない。」

「私は、国民を守る憲法が、国民を犠牲にして平和主義を守ることを求めているとは思えません。それは、立憲主義の本旨に反します。憲法は平和を守ることを求めているのです。国民を犠牲にして、平和主義を守ることを求めているわけではありません。」

その背景には砂川事件最高裁判決(昭和34年12月16日)があると言い、その最高裁判決は次のように述べている。

最高裁憲法第9条第2項に関し、「我が国が主権国として持つ固有の自衛権はなんら否定されたものではなく、我が憲法の平和主義は決して無防備、無抵抗を定めたものではないのである。(中略)我が国が、自国の平和と安全を維持し、その存立を全うするために必要な自衛のための措置をとりうることは、国家固有の権能として当然のことと言わなければならない」と判示した。

安保関連法案は昨年9月に可決成立したが、それ以後も日本を取り巻く国際情勢は急速に緊張が高まっているのだろう。

中国による南シナ海の領土領海の拡張、北朝鮮による核実験、ミサイル発射である。

昨年末から、安倍首相が憲法改正参議院選挙の争点にすると言い始めたのは、集団的自衛権の限定的容認だけでは足りず、憲法改正をして9条2項を改正しなくてはこの国の存立が守れないと判断したのではないかと思う。

南シナ海東シナ海を通る日本のタンカ-、貨物船は年間16,800隻、日本の貿易の54%をしめるというデーターがある、この海域で緊張状態が起きると船舶保険が跳ね上がる、そうすると日本経済が大きな影響を受ける。

まさに日本の国家存立危機事態が起きかねない。

そういう事態を防ぐ為にも我々は、憲法改正に向けて運動を継続していきましょう。