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東シナ海での空自機スクランブル

今朝の新聞に、東シナ海上空での航空自衛隊戦闘機のスクランブルの記事が載っている。

今年1月末で、今年度の航空自衛隊戦闘機のスクランブル発進は千回を超え、特に中国軍機に対するものが増え、これまでF-15戦闘機2機で対応していたがそれを4機体制とする、今後は他の基地所属の戦闘機も応援に向かえる態勢を作るとの記事である。

私も先日の自民党政調会の部会で、防衛省の担当局長に対し、スクランブルの回数と内訳、そして、中国軍戦闘機に対するスクランブル回数は何回か質問した。

戦闘機に対するスクランブル発進の回数は後ほど報告するとの回答であったが、私がマスコミ報道で知ったのは2回だ。それ以外は爆撃機や哨戒機などの大型機だ。

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(写真は自衛隊F-15戦闘機、出典は航空自衛隊ホームページ)

先日、航空自衛隊の元戦闘機パイロットに話を聞いた。

スクランブルで大型機と戦闘機に対する対処の仕方は全く異なる。相手が大型機の場合は、相手機の後方を大きく回り込みながら近づき、横に並ぶか、少し斜め前に出る。

しかし、相手が戦闘機の場合にこの方法を取ると、相手機が突然方向転換して自機に正対した場合、相手を攻撃する根拠法を持たない自衛隊機は、フレアを出して旋回して逃げるしかない。

大型機は簡単に急旋回出来ないので心配がないが、相手が戦闘機の場合には急旋回する場合を想定するので非常に緊張する、との事であった。

早急に法的対処方法の整備が必要だ。

自衛隊法には防衛出動、治安出動、海上警備行動などの場合には武器使用規定を定めた権限規定があるが、スクランブル出動に関する自衛隊法84条には権限規定がない。

この為、自衛隊機は相手機が攻撃して来た場合にのみ反撃出来る。

現代の航空戦では相手機の攻撃は自機が撃墜される事を意味する。

パイロットは現役時代、部下や同僚に対し、「俺が撃墜されて落ちていく時に、自分のカメラで落ちるところを写すから安心して反撃しろ」と話していたという。

先に攻撃する事が、たとえ正当防衛の行動であっても、見ている人のいない空の上では、攻撃したパイロットは後で殺人罪で訴えられる可能性があるのでこういう話になる。

自衛隊法84条の解釈は、佐藤栄作首相の時代までは「84条に権限規定がなくとも、領空侵犯機が警告に従わない場合には、国際法や国際慣例に基づき、撃墜することも出来る。」との解釈であった。

ところが、その後政府の法解釈が変わり、権限規定がないので自衛隊機は攻撃する事が出来ない事となった。

その後、佐藤政権時代の解釈に戻そうとする官僚発言もあったが、マスコミなどの批判を浴びて撤回した。

自民党では84条を改正して自衛隊機が攻撃する事が出来る法案を、1988年以来2度にわたり国会へ提出しようとしたが実現に至っていない。

トルコ空軍戦闘機は2014年3月23日、領空侵犯し警告に従わなかったシリア空軍戦闘機ミグ29を撃墜。また、2015年11月24日にも同じくロシア空軍戦闘爆撃機スホイ24を撃墜した。

これらの攻撃にどこの国からも批判はなかった。国際慣例では当たり前の事だからだ。

私は84条の改正に取り組むつもりでいる。