公益資本主義

最近、原丈人氏の「公益資本主義」(文春新書)を読んで大いに納得した。

何に納得したかというと、相次ぐ大手製造業各社の不祥事の原因についてである。

日本の製造業は真面目に物作りに取り組み、世界的な評価を得ている。

それが怪しくなってきた。

本書は、製造業各社の不祥事の原因が経費節減によって製造現場にしわ寄せがきており、その元は、株主最優先の米国型企業経営にあると分析している。

日本には古来から、自分が儲け、相手も儲け、さらに社会に貢献するという経営理念があった。

それが、ここ数十年の、株主が儲かることを最優先とする米国型企業経営理念がはびこった為に不祥事が頻繁する原因となっている。

極端にいえば会社を売却しても、売却益で株主が儲かればそれで良しとする。社会への貢献など全く考えていない。

数年前、米国で不良住宅ローンを交えて複雑な証券システムを構築し、それが住宅バブル崩壊によって一挙に崩壊したサブプライム住宅ローン危機によって方向転換したのかと思っていたら、そうではなかった。

そこで、古来からある日本型経営理念をもう一度見直そうと提唱している。

幸い、この公益資本主義の考え方に安倍総理も好意的であることが、本書で紹介されている昨年12月の参議院予算委員会における自民党の二之湯武史参議院議員の質疑でわかる。

私は本書を読んで早速、二之湯武史議員に電話して勉強会仲間に入れていただきたいと申し入れた。

二之湯議員は勉強会から進んで、近いうちに議員連盟を立ち上げるとのことで、仲間に入れてもらい公益資本主義の勉強を進めるつもりだ。