久々の徹夜国会

7日から8日にかけて、国会は事実上の最終日。

朝9時15分から自民党国対委員会、議員総会の後、10時から第1回目の本会議、漁業法改正案を可決した堂故茂農林水産委員長(自民党)、出入国管理法改正案を可決しようとしている横山信一法務委員長(公明党)の問責決議案が提出され審議。

野党議員の一部は相変わらず議会の申し合わせを守らない。

特に森ゆうこ議員(自由党)が堂故委員長の問責決議案の賛成討論で、あいも変わらず約束の討論時間を守らず、議長が発言停止と伝えても演説をやめない。発言席の横で与野党の議運理事の協議が続いた。

自民党足立敏之議員が担当理事であったが森議員が発言を止められず、大家敏志理事が加わり白眞勲野党筆頭理事に強行に抗議した。

採決は野党の要望で押しボタン投票ではなく、木札を持っての記名投票。

投票方法に反対する山本太郎議員が牛歩のパフォーマンス、単なる目立ちたがりだ、この議員はその後も二度同じ事をした。この投票方法は野党が求めたものだ。13時休憩。

大家議員が抗議で揉めた際に、立憲民主党白眞勲議員を押したとかで、この本会議の後、野党は議員運営委員会に出席せず、3時間以上を無駄にした。

この間私たち自民党国対委員は、自民党国対委員室で待機、長かった。

結局、自民党が野党筆頭理事に謝罪したうえ、大家議員が理事を辞職した。

大家議員に落ち度はない。

野党は暴力を振るったと言ったようだが、大家議員はそんな事はしていない、濡れ衣だが自民党が配慮した。

漁業法改正案について、私は高知県宿毛市で父親の跡を継いで昭和63年から10年間ハマチや鯛の養殖会社を経営した。
毎日船にイワシの切り身などの餌を積んで一日中魚と接した。

また、漁協の理事も経験した、高知県議会議員であった16年間は漁業振興に力を入れた。
私の地元高知県では漁業法改正に反対している漁協はないし、高知県水産振興部の幹部に聞いても反対の声は聞いていないが、北海道や東北でそれぞれの事情で反対している人達がいる事は承知している。
また、海区(漁業)調整委員の公選制が廃止される事に反対している人がいるのも聞いている。

しかし、全漁連は賛成している。
高知県でも漁業就業者数は激減しており、日本の若者にとって、漁業は魅力的な仕事ではない。
宿毛湾は養殖業、中型巻き網漁などが盛んで、県内でも一番漁業が盛んな地域だ。

私の故郷大海は宿毛湾の入り江の一つで、130軒ほどの家のある小さな漁村である。私が東京から故郷へ帰った当時は大海漁協でも養殖業者が16人ほどいた。現在は2人だけとなり、もうすぐ1業者となる。

あとは後継者がいなくて廃業したのである。

また、その当時から海区(漁業)調整委員の選挙について批判が多かった。希望者が少なく、選挙運動をするとお金がかかるからである。

今度の漁業法改正で、企業に養殖業の経営権を与える事に反対の声を上げている。

しかし、私が漁師になった当時から、地元の漁師が養殖魚場を漁協から借りて、本人が会社に雇われる形態が宿毛湾の各地で行われており、今ではそれを黙認している漁協が多い。

宿毛湾は現在マグロ養殖で全国有数の地域になっているが、マグロ養殖は5社全て水産会社が経営している。

マグロ養殖は一度に十数億円のお金がかかる、個人では経営は難しい。

マグロ養殖会社は地元の漁師を雇用しており、地域に貢献している。

私は今回の法改正は漁業振興にとって必要だと考える。
次に立憲民主党、国民民主党共産党などの野党から山下真司法務大臣に対する問責決議案が提出され、19時20分に議院運営委員会、19時30から本会議、ここでも趣旨説明に登壇した立憲民主党小川敏夫議員が、口頭で約束した15分間の制限時間を守らず大幅に時間オーバーした、全く約束を守らない。我々の同期である元榮太一郎議員(法務委員会理事、弁護士)が同期生としては初めて本会議で登壇、堂々と山下大臣の功績を述べ、反対討論を行った。
反対多数(163票対72票)で否決、20時50分休憩、

外国人労働者の問題は最近このブログで書いた。

現在、日本国内で128万人以上の外国人労働者が働いている。

東京のコンビニ、居酒屋などの飲食店では日本人を探すのが難しいほどだ。

地方の製造業、農業、漁業など、技能実習制度で来日して働いている人達の中に、低賃金で働かされている人達がいる。

早く法改正をして、これらの人達が日本人と同様の待遇で働ける環境を作るべきだと思っている。

雇う側が、単なる低賃金労働者としてみる考え方を変えなければ、外国人労働者が来なくなる、その為にも法改正が必要だと思う。

野党の言うように、準備不足の面はある。

この後、安倍総理に対する問責決議案が提出され、
22時10分本会議再会、立憲民主党蓮舫議員が決議案の趣旨説明、自民党岡田直樹参議院自民党幹事長代行が反対討論などを行った。
問責決議案は反対多数で否決し、23時30分休憩、延会、この時、衆議院安倍総理に対する不信任案が提出されたとの話を聞き、いったん議員会館事務所に戻った。

結局内閣不信任案は国民民主党立憲民主党の合意ができず提出できなかった。
日付けが変わり、8日(土)午前0時10分から法務委員会開催、入国管理法改正の採決だ。
自民党は数名の副幹事長と国対委員が委員会室に入り、横山信一委員長が発言するのを守った。
国民民主党の櫻井充委員が討論しているとき、一部の野党議員が騒いだ、すぐに静かになったが、採決は混乱した。

この模様はテレビと新聞に出た。私は後ろにただ立っていた。
法務委員会で改正案は賛成多数で可決された。
午前1時20分から本会議、外交防衛委員会で可決された、日EU経済連携協定から、出入国管理法案改正案(これのみ記名投票)まで15本の法案を可決し、午前4時8分に散会した。

7日午前8時からの自民党政調会の勉強会から始まり
長い、とんだ誕生日であった。

国会議員になってから2度目の徹夜国会であった、野党のパフォーマンスには何度もウンザリしている。

5年ぶりの徹夜国会との報道があるが、昨年もテロ等準備罪だったと思うが、徹夜した。

待っている間に、ある団体から比例で選出されている先輩議員が「中西さんこの国会の状況をどう思う、私も国会議員になるまでは、野党の議員がこんなにレベルが低いとは思っていなかったよ。」とボヤいていた。

同感です、野党の支持率が上がらないわけだ。