安倍内閣の景気判断は間違ってないか

今朝(5月25日)の産経新聞に「政府が5月の月例経済報告で景気が回復傾向にあるとの認識を維持したのは、個人消費や設備投資などの内需は底堅く、景気の前向きな動きが続いていると判断したためだ。」との記事が載っており、この判断に対して、明治安田生命チーフエコノミストの小玉祐一氏は肯定的なコメントを出し、農林中金総合研究所主席研究員の南武志氏は否定的なコメントを出し、「5月の月例経済報告での内需がしっかりしているという分析は、実感に合わない。『緩やかに回復している』という判断そのものを引き下げるべきだったと思う。」とのコメントが載っている。

また、次のページに安倍首相の経済政策のブレーンであった本田悦朗・前スイス大使は「消費増税ならアベノミクス失敗」との見出しで、デフレを脱却できていない現状で消費税増税はすべきではない、とのコメントを載せている。

本多氏は「最近の報道機関の世論調査でも増税反対は全体の50%を超えています。多くの国民は今、増税したら大変なことになると肌で感じている。

増税は延期でなく、凍結すべきです。」

「政府は『リーマンショック級の出来事が起こらない限り増税する』と言っていますが、あと4ヶ月でリーマン級の出来事が起こる確率は低い。ただ、増税すれば日本経済はリーマンの時と同じくらい悪影響を受ける可能性があります。賃金は上がらず、設備投資も低迷し、個人消費はいっそう落ち込む。20年以上、デフレに苦しんできた日本が今増税すれば最悪、デフレに逆戻りし、アベノミクスは失敗するかもしれない。」

私はこの本多氏の見解に全面的に賛同する。

また、本多氏のコメントの中に「経済協力開発機構(OECD)のグリア事務総長は4月、日本は将来、消費税率を最大26%まで引き上げる必要があると発言しました。」とのコメントがある。

グリア事務総長が日本経済の事をどこまでご存知か知らないが。日本は一昨年の決算で、総税収に占める消費税の割合が3割を超えた。

これはドイツと同じ比率だ。ドイツは消費税率は19%、軽減税率が7%だそうだ。

財務省は消費税を導入する際に、将来は消費税を上げていき、税収に占める割合を3割としたいとの話をしていた。今は沈黙する。

ここ数十年、日本でも貧富の差は拡大している。

消費税制度は高収入の人には低負担、低収入の人にとっては高負担の税制度である。

ゼリア事務総長のいう消費税を26%にした場合、所得税法人税はどのくらいにする事を想定しているのだろう、一度聞いてみたい。