参議院外交防衛委員会の開会

17日(金)午後1時から参議院外交防衛委員会が開かれ、昨年12月に閣議決定された自衛隊の中東派遣について質疑があった。

自民党からは佐藤正久議員、立憲民主などの共同会派からは小西洋之議員(派遣反対)、公明党は秋野公造議員、維新からは浅田均議員、共産党井上哲士議員(派遣反対)、沖縄の風伊波洋一議員(派遣反対)の6名が質疑に立ち、所要時間は2時間。

午前中は9時から3時間コースで衆議院安全保障委員会が開かれた。

私はテレビで前原誠司議員と玄葉光一郎議員の質疑を、全部ではないが見た。揉める事もなく整然と質疑が行われていた。

下の地図が護衛艦「たかなみ」とP3-C対潜哨戒機2機が派遣される地域である。

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このうち、自衛隊オマーン湾と北部アラビア海で主に情報収集を行う。

小西議員は、防衛省資料では、この海域にはすでに米海軍の「ハリー・S・トルーマン」空母打撃群と米海兵隊強襲揚陸艦「バターン」機動展開打撃群などが派遣されており、一方でオマーン湾北部のチャーバハルとジャスクにはイラン軍の海軍基地があり、米国とイランが対峙する危険地域ではないかと指摘した。

浅田議員の質問に対する答弁で、政府参考人は、ホルムズ海峡を通過する日本関係船舶は年間約1700隻であり、そのうち約2割が日本船籍の船であるとの答弁があった。

毎日約26隻の日本関係船舶がホルムズ海峡を通過している事になる。

ほとんどがタンカーであろう。日本は原油等の約9割をこの地域から輸入しているとの河野防衛大臣の答弁もあった。

私は、だからこそ自衛隊を派遣して日本関係船舶の航行の安全を確保する必要があると思う。

また、佐藤議員の質問の中で、護衛艦「たかなみ」は派遣にあたって艦橋の窓ガラスを防弾ガラスへの換装など(機関銃座の仮設、海事衛星通信装置の装備を含む)に約1千2百万円かかる。

しかも、艦橋の防弾ガラスを含むこれらの装備は任務が終われば元に戻すのに約5千9百万円の経費がかかるとの防衛省資料を提示して、防弾ガラスはなぜそのままにしておかないのかとの問いに対して、防衛省護衛艦の仕様書が防弾ガラスになっていないからとの回答があったとも指摘した。

さらに海賊対処法等に基づきこれまで派遣された延べ約60隻の護衛艦がすべて防弾ガラスに替えて、任務が終われば元に戻す作業を繰り返している。

こんな無駄な事は改善すべきだと河野防衛大臣に求めた。

ちなみに尖閣諸島に派遣される海上保安庁の巡視船の艦橋は防弾ガラスに替えられている。

ましてや、護衛艦は当然防弾ガラスを備えているものと思っていた。

私も知らなかったが呆れた。