外務省欧州課から各国の説明を受けた

12日(木)、外務大臣政務官として私の担当である欧州各国の概要説明を、外務省欧州課の職員から引き続き受けた。

本日はアイルランドポルトガル、ベルギー、オランダ、ルクセンブルクノルウェースウェーデンフィンランドデンマークそしてバルト三国といわれるエストニアラトビアリトアニアである。

それであらためて、過去30年間で日本の国力が大幅に落ち込んでいる事を痛感した。

以下は一人当たりGDPが日本より上のヨーロッパの国々である。いずれの国も人口は日本より少ない。

日本は人口減少でGDPが上昇しない、というのはウソである事が分かる。

数字は2019年のIMF(国際通貨基金)の統計である。日本の一人当たりGDPはドル換算で40,256ドル(1ドル105円で換算すると約422万7千円)、世界で25番目である。

しかもこの数字は約30年間あまり変わっていない、これが問題だ。日本国は成長していないのだ。

(なお、人口もIMFのデータを元にしているので、外務省の直近の数字とは誤差がある。)

世界第1位はルクセンブルクで一人当たりGDPは115,839ドル(約1,216万円)、この国の人口は62.6万人、ユーロ圏の金融センターであり、金融業でGDPの約3割を創出している。

第2位がスイスで、一人当たりGDPは82,484ドル(約866万円)、人口は854万5千人、

3位がアイルランドで一人当たりGDPは80,504ドル、人口は492万人、アイルランドは移民を多く輩出している国で有名であり、4400万人のアイルランド系米国人の中で米国ケネディ家を始め、レーガンクリントンオバマ各大統領やペンス副大統領もご先祖はアイルランド移民である。バイデン新大統領も同様である。

世界第5位がノルウェーで一人当たりGDPは75,294ドル、人口は533万人、福岡県(511万人)よりやや多い。

第6位がアイスランドで一人当たりGDPは67,857ドル、人口は35万6千人、この国の通貨はユーロではなく、独自のクローナを発行している。

第10位がデンマークで一人当たりGDPは59,770ドル、人口は580万人で兵庫県とほぼ同じである。

第12位がオランダで一人当たりGDPは52,646ドル、人口は1,728万人で、最古の自由貿易主義国家、自由貿易の根底にある実利主義を現在も維持している。

第13位がスウェーデンで一人当たりGDPは51,404ドル、人口は1,032万人である。

第14位がオーストリアで一人当たりGDPは50,380ドル、人口は886万人である。

第15位がフィンランドで一人当たりGDPは48,810ドル、人口は553万人で北海道と同程度である。

第18位がドイツで一人当たりGDPは46,473ドル、人口は8,309万人である。

第20位がベルギーで一人当たりGDPは46,237ドル、人口は1,149万人、

欧州の首都、EU及びNATOの本部所在地である。

その理由はドイツとフランス2大国に挟まれた地理的事情であろう。

第22位がイギリスで一人当たりGDPは42,379ドル、人口は6,679万人である。

20〜30年前、イギリスは斜陽の国だと日本人が馬鹿にした時代があった。その斜陽の国にも一人当たりGDPは抜かれたのである。

第23位がフランスで一人当たりGDPは41,897ドル、人口は6,482万人である。

その次がニュージーランドで、日本はその次だ。

財政均衡、緊縮財政を旗印にした結果がこの国を衰亡させたと思う。

政治の大きな失敗である。