原発その2

今朝の(5月5日)産経新聞原発関連記事で、平井憲夫さん(平成9年死去)の講演記録をまとめた文章がインターネット上で流れており、「反原発聖典」ネット上で伝播」という題で記事が掲載されている。
私は最近になってこのブログを読んでいた。しかし、この平井さんという方が亡くなっており、どういう方かは解らないし、このブログに反論する知識も持ち合わせていないが、いくつか疑問点があったので自分のブログには何も書かないでいた。
ブログによると平井氏は昭和40年代〜昭和60年代に1級配管技能士として原発で勤務経験があり、北陸電力能登(現・志賀)原発東北電力女川原発東京電力福島第2原発など各地の原発運転差し止め訴訟に原告証人や特別補佐人としてかかわってきた。原発被曝労働者救済センター代表という肩書きも書かれているが、このセンターは平井氏の死亡後は閉鎖されているのでどういう団体であったのか解らない。
産経新聞の記事では疑問点として「文書は20章からなり、いずれも原発の危険性を誇張した内容が目立つ。事実と異なる情報も多く、≪素人が造る原発≫という章では『事故の怖さを知らない全くの素人を経験不問という形で募集している』と記述。≪放射能垂れ流し海≫との章では『海に放射能を含んだ水が何十㌧も流れてしまうのです。(中略)日本列島で食べられる魚はほとんどありません』との内容になっている。」と指摘している。
私も平井氏のブログを読んだ時にこれらの点については疑問を持っていた。
しかし、どこが本当でどこが事実と異なるのか、今の私には検証できない。
良い本があれば紹介して欲しいと思っている。
放射能汚染された水の垂れ流しは、現在の福島第1原発で問題となっている。
もう二十年ほど前であろうか、ソ連崩壊後のウラジオストック港でソ連海軍の原子力潜水艦が廃船となっており、その原子炉を日本海溝に放り投げているという記事が週刊誌で話題になた事を私は覚えている。この記事が出たのは一度だけではなかったと思う。
ところが、当時の日本政府は証拠がつかめないのかロシア政府に抗議したという記事が出たことはなかったと思う。
その週刊誌の記事が事実かどうかも解らなかったが、おそらく事実であろうと思いながら読んだ記憶がある。
福島第1原発の冷却水垂れ流しで、どの海域でどのような影響があるのか政府は知らせる必要があるのではないか。
十数年前に伊方原発を見学した時には、すぐ側の海に釣り船が数隻泊まって釣り人が竿を出していた。
原子炉を冷却した海水を海に流しており、ある程度冷やして海に流しているが、それでも海水温より数度高いので排水口周辺には魚が多く、釣り船が多いとの説明を受けた。
先日伊方原発を視察した時には風が強く天候が悪かったせいか、釣り船は一隻もいなかった。
当時も現在も伊方原発周辺海域で釣った魚が放射能に汚染されているのではないかという話は全く聞かない。

視察してもう一点気づいた事は警備体制である。
数年前、北朝鮮が日本に対してミサイルを撃ち込むのではないかと緊張した時期であった。
原発の警備に警察機動隊が配置され、拳銃では不安で短機関銃を装備したという話を聞き、知り合いの警察官に聞いた。
高知県警からも機動隊が交代で伊方原発の警備に出ている。短機関銃はケースに入れてカギをかけて保管してあるという話を聞き唖然としたことがあった。
今回伊方原発に行ってみると、敷地の入口と建物敷地の入口で民間警備会社の警備員が数名で警備をしていたが、警察官の姿は見かけなかった。
四国電力の社員の話では、どこかに愛媛県警の警察官がいるという話であった。
民間の警備員は我々のように見学目的の国民に対してはチェックが有効かもしれない。
しかし、原発を破壊し日本を混乱させることを目的としたテロリストや外国の特殊部隊に対しては何の役にも立たないであろう。
彼らは自分たちが殺されるおそれがあることを全く想定していないだろうと思った。
おそらく、テロリストが来たと通報する前に全員即死であろう。
一昨日、タリバンの指導者オサマビン・ラディンが米軍に殺された。
米国をはじめ各国で報復テロに備えている。
今回の福島第1原発の事故で、原発は原子炉、原子炉格納容器のみならず、使用済み核燃料プールを攻撃されても周辺に放射能汚染をまき散らすことがわかった。
日本政府は、なぜ国内の原発に強武装の機動隊か自衛隊を配置して警備強化をしないのか、法整備が必要なら一刻も早く法整備をはかるべきである。
「想定外」はもう許されない。