新土佐海援丸の船出


海外から帰って二日後の29日(月)は新造した県立海洋高校の実習船「土佐海援丸」の視察、本来ならば翌日であったが、私は翌日、中四国9県議長会出席のため島根県松江市に行く予定なので、三石副議長と一緒に一足先に船内見学をさせてもらった。
この船は県の建造予算がつかず、新造中止になる寸前であったが、高知県内航海運組合の岡田理事長、立田副理事長(二人とも宿毛市在住)の熱意で県当局を動かし、新造が決定されたものだ。
私も県当局と内航海運組合の橋渡しをさせていただき、県議会の本会議質問でも尾崎知事に新船建造の必要性を訴えたので感慨深い。
質問のポイントは立田福理事長から教えていただいた、高知県人が海洋民族のDNAを強く持っており、日本の内航海運業界において高知県出身者が重宝されているという事実であった。
新船建造にあたって、立田さんから船の機器について、最新のものを装備するよう強く要請があったので秋森裕一船長に質問すると、「完全にコンピューター化されているので戸惑ってます、慣れるには2航海ほどかかるでしょうと」いっていたので安心した。
船員教育にもっとも必要なのは、船の最新装備の使用方法を身に付ける事だという。
新「土佐海援丸」は排水量486トン、全長55メートル、20名の船員と実習生を最大30名、全員で50名が乗り組める。前の船より若干大きい。
海水から真水をつくる装置も備えており洗濯なども真水を使用できるという。
各部屋は冷房を備えている。
釣った魚を急速冷凍する冷凍機はマイナス60度の能力を持ち、急速冷凍後はマイナス30度の冷凍庫に保管するという。
これは通常の遠洋マグロ船と同等の能力を持っている。
秋森船長の話では、航海期間が約2ヶ月と限られているので、漁場はハワイ諸島の北か南に限られるという。
総務委員会で県当局が、この実習船の数年前の年間水揚げ高を1千4〜5百万円?と言っていた事を記憶している。
海洋高校の卒業生は多くが内航海運業界に就職し、遠洋マグロ船は急減した。
それでも、伝統ある土佐の遠洋マグロ漁業を経験することは貴重な経験であると思う。
秋森船長はじめ関係者の健闘を期待している。