体罰を受け高校生自殺に思う

大阪の桜宮高校のバスケット部の主将が、部活動の顧問の教諭から体罰を受け自殺したと報道があった。
17歳の子供を失ったご両親、ご家族のことを思うとやるせない思いがする。
この先生は熱血教師との報道があり、賛否両論がある。
しかし、体罰を受けた生徒が自殺したことで、この教師の指導力がなかったと言わざるを得ない。教師の側に弁明の余地はないのではないかと思う。
私は大学時代、中央大学少林寺拳法部に所属した。当時の少林寺拳法部は、毎日の練習が12オンスのグローブと剣道の胴を改良したものを着けて、限定されたキックボクシングであったので、毎日が殴り合いであった。
時折、練習終了後、気合が入っていないとの理由で先輩から連帯責任で1学年全員がビンタをくらうことがあった。
格闘技をやっている人間のビンタであるので半端ではない、一発で口の中がずたずたに切れたり、鼓膜が破れたこともあった。
しかし、個人的に恨みに思って残るケースは少なかった。
大学卒業後、空手道の世界に入り、29歳頃から空手の支部道場を開設し、東京で7年間、宿毛へ帰ってからも県議になるまでの17年間支部道場を開いて多くの小学生から高校生、そして社会人を指導してきた。
私のやっていた空手は極真会系で実際に当てる空手である。
東京時代は大学生と社会人が練習生の中心であったため、私は組手稽古で、毎回何人もの生徒を突きと蹴りで気絶させた。
それが空手道で強くなるために必要であったからである。
組手以外に指導中生徒を叩くこともある。ただし、叩くのは尻や背中で、頭を叩いたことはない。
小学生もプライドがある、人前で頭を叩くことは絶対にしたことがない。
私の娘が中学生の時、バスケットボール部に所属していて県の大会に出た時に、有力校の先生で試合中に自分の生徒がミスをすると罵倒していた指導者がいた。休憩中に叩いていたと思う。
その時、私の近くにこの学校の保護者がいて、「あの先生は熱心なんです」と誰に言うともなく話していた。
私は自分の娘のクラブの指導者が、自分の娘にああいう言動をしたら間違いなく公衆の面前でその指導者をぶん殴って大けがさせていたと思う。
私は体罰を全面的に否定するものではない。しかし、叩かれる者の痛みが分からない人間は絶対に体罰をしてはならないと改めて思った。