中国海軍軍艦のレーダーロックオン

尖閣諸島周辺海域で、中国海軍の軍艦が日本の護衛艦「ゆうだち」に対して射撃管制レーダーを照射したという報道があり、これに対して中国政府は日本政府のねつ造だと反論している。
日本政府は小野寺防衛大臣が冷静に対応していると思う。
レーダー照射を受けた証拠を公表するかどうか検討中だというがそれは止めたほうがいいと思う。
これに関して自民党の石破幹事長がマスコミとの質疑応答で次のように答えている。
「わが方の能力がどれくらいの水準にあるかということを世間に知らしめることは、厳に慎むべきだと思います。」
そのとおりだと思う。
二十数年前にサハリン上空で領空侵犯をした大韓航空機がソ連空軍戦闘機に撃墜された事件があった。
この時、その事実を否定するソ連側の見解を覆すために、航空自衛隊が傍受したソ連空軍パイロットと基地との無線通信のやり取りを公表した。
これは米国の要請を受けてのものだといわれたが、このために航空自衛隊では通信傍受システムの全面改定をやらざるを得なくなり、これに数年かかったといわれている。
この時の轍を踏むべきではないと思う。
護衛艦「ゆうだち」は満載排水量6100トン、むらさめ型護衛艦の一隻であり、ミニイージス艦と呼ばれている。
イージスシステムは備えていないが対空戦闘能力は相当に高いといわれているので、ロックオン―>ミサイル発射となっても対処能力はあるのではないかと思う。
中国は習近平体制となったがまだ安定していないようだ。日本政府は冷静に対応すべきであろう。
最近、習近平に関する次の本を読んだ。
習近平と中国の終焉」(著者:富阪總・角川新書)、「チャイナ・ジャッジ」(著者:遠藤誉・朝日新聞出版)
両方の本が共に、習近平薄熙来の二人を生い立ちから現在まで、比較しながら書いているが、中国政治の背景がよくわかる本である。