中国、新ICBM公表

表題は今朝(8月3日)の産経新聞の一面トップニュースの見出しである。
記事によると「中国人民解放軍が開発を進めているとされていた、北米のほぼ全域を射程圏とする新型の大陸間弾道弾(ICBM)「東風(DF)41」の存在が2日までに、中国政府機関の公式サイト上で明らかにされた。」ということである。
このミサイルは発射台付き車両による移動型で、最大10個の核爆弾を搭載できるとみられるとのこと、いわゆる多弾頭型だ。
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(この写真のミサイルは移動型ではあるが東風41かどうかは不明)
軍事専門誌「軍事研究8月号」に中国のミサイル情報が特集されており、この記事では東風41ミサイルはまだ確認されていないとの事であった。
それよりも、同誌には「今年3月3日付『The Washington Free Beacon』は、米国公式筋の話として米国情報部が中国の新型中距離弾道ミサイル(IRBM)DF-26Cの配置を確認したと報じた。
この新型弾道ミサイルは、その射程が最低でも3,530kmを有すると見られることから、中国軍が米国のアジア太平洋地区の戦力転換の中心地であるグァムの米軍施設を攻撃するに十分な能力を有するミサイルと見られる。
このミサイルの脅威を受け、ペンタゴンは4月、最新式の対ミサイル防衛システム、「戦域高高度地域防衛(THAAD)」をグァムに配置中であることを公表した。」
とお記事が出ている。
この弾道ミサイルの命中精度の向上と飛距離の延長によって、米海軍の空母打撃軍が、日本や台湾にうかつに近づけなくなる可能性があることが懸念されている。
中国は、大陸間弾道ミサイル弾に関しては、ソ連が米国との軍拡競争で経済破綻をおこして国家解体した教訓を考慮しているのか、同じ数を配備する構想はないようだ。
産経新聞の記事にも「中国の保有核弾頭数は約250(2013年、ストックホルム国際研究所、米国は約7300発保有)。だが、米軍事専門家の間には、実際にはこの2~3倍を保有していると見るむきもある。」との記事が出ている。
一方で、海軍力の増強は目覚ましく、空母打撃群を作る構想があるようだが、軍事専門家の話では、これが一番金がかかるということだ。
米海軍の空母打撃軍は空母1隻、攻撃型原潜1隻、高速戦闘支援艦1隻、イージス艦5~6隻で構成されるが、この維持費が年間2兆数千億円かかるという推測記事が軍事専門誌に出ていたことを記憶している。この推測が正しいかどうかは分からないが、日本の防衛予算の約半分だ。
現在、米海軍は空母を11隻保有し、常時5~6の空母打撃軍を世界に展開している。
これらも、今後は軍事予算削減の影響でどの程度削減されるのか、今のところ未定だ。
米国と中国との経済力の差によって勝敗が決まる。
日本は傍観していて済む問題ではない。