宿毛福祉会の講演会

14日午後2時から、宿毛文教センターで、私が理事を務めさせて頂いている宿毛福祉会の創立20周年記念の講演会があり出席した。

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宿毛福祉会は、市内の総合病院である大井田病院がデイサービス事業を行う部門である。
講師は腰塚隼人氏、神奈川県の元中学校教師で現在49歳、12年前の平成14年(2002年)にスキーの事故で転倒、首の骨を折って首から下が麻痺していたが、4ヶ月後に中学校教師として現場復帰を遂げたという。
国士館大学体育学部卒業で、スキーは1級の資格を持っていたそうだ。
現在は中学校教師を退職し、自分の体験談を「命の授業」と題して講演をして全国を回っているそうである。
10年間で千回の講演をやるとの目標を持っているが、現在5年目で五百数十回を越したそうで、6年目で千回の目標は突破できそうだと話しておられた。
高知県では今回で37回目の講演会だそうだが、私は始めて聞いた。
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スキーで転倒した後、手足を動かそうとしたが全く動かない。手術は成功したが、相変わらず手足が動かない。麻酔が覚めれば動くことを期待したがそれもダメだった時の絶望感。
その後、入院中に看護婦さん、リハビリの先生、家族に言葉で励まされ、助けられた体験談。
言葉が人へ大きな感動を与える事の大切さを強調された。人前で挨拶する機会の多い政治家としては、話し言葉の大切さは常に心がけている。
また、自分の心の中で、首から下の麻痺で生きていても家族に迷惑をかけるだけだから死のうと考え続けた心の葛藤。
聞いていた多くの方が涙を流して聞いておられた。
話の中で「ドリー夢メーカー」という腰塚氏の作った言葉を何度も強調された。
その意味は「自分の可能性を信じ、夢を実現しようとする人、誰かの夢を知り応援しようとする人、誰かのありのまま存在を認め、思いやり、寄り添って生きる人のことです。」
自分もドリー夢メーカーになり、周りにドリー夢メーカーを作る大切さを話された。
そして、周りに励まされながらリハビリを続け、「しゃべれる喜び、字が書け、おはしが使える喜び、『当たり前』だとおもっていたことに、『幸せ』と『感謝』を見つけました」と話しておられた。
私も、2年半前に両股関節を人工関節に置換する手術を受け、病院のベッドで寝ながら、自分の体が徐々に動き出す時に同じ思いをした。
また、退院後長男を授かった。子育てをしながら両親への感謝、子供への感謝の気持ちも話された。
腰塚氏は奇跡的な回復を遂げ、立ったままで講演されたが、今でも下半身の痛覚が戻っておらず、熱さや痛みを感じないのでコタツなどには入れない、右手は少ししか動かせない状態だ。
講演の最後は「いつも笑顔でいよう」「いつも感謝をしよう」「周りの人々の幸せを願おう」私の原点です。という言葉で締め括った。
本当に感動を頂いた講演会であった。