平成26年憲法記念日

5月3日は憲法記念日、この日の高知新聞朝刊に、集団的自衛権に関する私のコメントが掲載された。
本県選出の自民党国会議員全員のコメントも載っていた。
集団的自衛権について高知新聞自民党県議全員のコメントを取ろうとしたが、議員団の中から異論があり、議員総会で話しあった結果議員各自でコメントは出さないことを決めた。
ただ、森田英二政調会長か私かがインタビューを受けることは了承されて、私が党本部の安全保障法制整備推進本部(石破茂本部長)の講演会の中味を紹介した上で、今後の県議団の方向性と若干の持論を述べたものだ。
安全保障法制整備推進本部では集団的自衛権について、3月31日の初会合で高村正彦副総裁が講演され、砂川事件最高裁判決を紹介しながら、憲法解釈で最小限度の集団的自衛権を認めるのが妥当との話をされた。
4月7日には石破茂本部長の講演があり、そこではこれまでの歴代内閣の憲法解釈が紹介され、多くの資料も添付されている。
両方の講演議事録は自民党本部のホームページに掲載されているので見ていただきたい。
石破茂本部長は集団的自衛権を実行可能にした上で、関連する法改正を急ぐと言っている。
何よりも、自衛隊が行動を起こす時に、一般国民の行動基準である刑法に定められている正当防衛の基準を適用するのは考え直して頂きたい。
軍事衝突は、相手が刃物を持って攻撃してくるのとはわけが違う、先制攻撃をしないと味方に多大な犠牲が出るのである。
また、自衛隊の合憲性について、私は法律判断としては自衛隊憲法9条2項に違反すると考えている。
日本国憲法制定当時は第1次世界大戦第2次世界大戦と二つの世界大戦を経て、世界中の国民はもう二度と世界を巻き込む戦争はやめようと考えていたと思う。そのために、国際連合の存在が大きく期待されていた。
その思いが、現憲法前文にある「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。」いう表現に現れており、その上で9条は「日本国民は正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。2 前項の目的を達成するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。」と定めた。
この条文からは、日本国においてはあらゆる軍事組織の存在を想定していない。
多くの憲法学者自衛隊の存在を違憲であると考えていたことは、恵庭事件に関するアンケートの結果、187人中164人が違憲とみなしている事実が示している。(憲法Ⅰ 清宮四郎385ページ、法律学全集)
しかし国際情勢は劇的に変化した、昭和25年6月には朝鮮戦争が勃発した。
英国首相であったチャーチルが書いた「第二次世界大戦」(河出文庫)を読むと、第二次大戦中、ナチスドイツ相手にソ連スターリンと共同して戦っていたが、対独戦争の勝利が見えてきたその当時にすでにスターリンが、次は英国、米国の自由主義陣営との戦いだと考えていたなんてチャーチルは全く想像もしていなかったということが書かれている。
現在の 日本を取り巻く東アジア諸国に「平和を愛する諸国民」も少ないし、「公正と信義」も無い。
国家の存立は国民の代表たる国会議員に委ねられるべきであり、法律家に委ねられるべきではない。
現在の自民党政権解釈改憲自衛隊の存在を合憲と認めている。その判断を私は止むを得ないと肯定するが、この時に憲法改正を掲げて自民党が誕生している、それをもっと早く実現すべきであった。
安倍首相が集団的自衛権を急いで実行可能なものとしようとする背景には、北朝鮮の核実験、ミサイル発射の動きも影響しているだろうが、第1には尖閣諸島周辺での中国の軍事行動の活発化があると思う。
本来なら憲法9条を改正して自衛隊を国軍と認め、日本国の憲法に、大日本帝国憲法第13条にあった宣戦布告の条文を復活させるのが本来の姿だと思う。
しかし、それでは間に合わないという思いが安倍首相にあるのだろうと思う。新聞にコメントした「今年中に尖閣諸島周辺で日中の軍事衝突が起きる可能性がある」との情報は、今年の建国記念の日の講演会で講師の恵隆之介氏が米軍情報として話した事だ。安倍首相の元にはもっと沢山の情報が集まっている、その上での判断だろう。
3年前の東北大震災の際に、バカな菅総理が「災害復旧活動に20万人の自衛官を投入する」と発言し、私はこのバカ総理は自衛官が24万人弱しかいないことすら知らないのだな、こんなことを言ってると中国が尖閣諸島に上陸するぞと本気で心配したが、米軍は即座に行動に移し米海軍第7艦隊ジョージ・ワシントン空母打撃群を即座に横須賀から佐世保に移し、それから半年間に渡りこの空母打撃群が尖閣諸島周辺で軍事演習を繰り返し、中国軍の動きを封じ込めたことはその年の10月頃のブログに書いた。
その事も、残念ながら米軍の「トモダチ作戦」ほどは知られていない。
written by iHatenaSync