長射程の巡航ミサイル配備について

防衛省が導入を目指す巡航ミサイルは、相手の射程外から攻撃できる兵器である(スタンドオフミサイル)。
JSMはノルウェーの開発したF-35(内装可能)搭載用の射程約500kmの対艦・対地ミサイルで、平成30年度予算に本体取得経費を計上する。
また、LRASM(ロラズム)、JASSM(ジャズム)は米国製の射程約900kmの対艦・対地ミサイルで、これらが、航空自衛隊の主力戦闘機であるF-15に搭載できるかどうかの調査経費を計上する。

先週の自民党政務調査会、安全保障調査会と国防部会との合同部会でも説明があった。

突然の予算計上であった。

防衛省は「敵基地攻撃を目的としたものではない」と話していると報道されている。
この説明はおかしいでしょう。

射程の長いこれらのミサイルは能力上、日本から北朝鮮や中国、ロシアに届く、当たり前の事だ。

いちいちどこを攻撃する為に配備すると説明しなくても、対地、対艦ミサイルであるという事で十分だ。

軍備は抑止力です。敵基地は攻撃しませんとの説明は抑止力を否定する事になるが、そんな説明をしても他国は信用しないでしょう。

政府は、攻撃力は米国に依存するとの従来の説明通りのつもりであろうが、一昨年改訂された新日米ガイドラインには日本が武力攻撃を受けた時には「日本は、日本の国民及び領域の防衛を引き続き主体的に実施し、日本に対する武力攻撃を極力早期に排除するために直ちに行動する。自衛隊は、日本及びその周辺海空域並びに海空域の接近経路における防勢作戦を主体的に実施する。米国は、日本と緊密に調整し、適切な支援を行う。米軍は、日本を防衛するため、自衛隊を支援し及び補完する。」と書いてある。

日本が武力攻撃を受けた時には、まず日本が、自衛隊が行動を起こすと、当たり前の事が書いてある。

それには敵基地攻撃も予想される。

但し、現状では自衛隊にとって簡単な事ではない。敵基地がどこにあって、どういう防衛体制をとっているかの正確な情報を知るための手段が我が国には不足している。

私は委員会などで、情報収集衛星に加えて偵察衛星(静止衛星)、無人偵察機(自衛隊では研究をやっていた)の独自開発を訴えている。

また、現在自衛隊が装備している93式空対艦ミサイル(ASM2、F2戦闘機搭載)や12式地対艦ミサイルの射程を伸ばす研究をして、独自の兵器を持つべきだと考えている。

それらの配備が我が国を守る為の抑止力となると考える。