空母運用機導入検討?

今朝(25日) の高知新聞朝刊一面に表題の記事がデカデカと出ている。いやぁ驚いた。

共同通信の配信記事らしいが、「防衛省が将来的に海上自衛隊のヘリコプター搭載型護衛艦で運用することも視野に、短距離で離陸できるF35B戦闘機の導入を本格的に検討していることが24日、政府関係者への取材で分かった。」と書かれている。

私が国会議員として活動し始めた昨年8月から、自民党政調部会の国防部会、安全保障調査会の勉強会にほぼ毎回出席しているが、防衛省からも国会議員の側からもF35B導入の話は一度もなかったと記憶している。

ただ、自衛隊OBの部外講師を招いての勉強会では、その講師が、将来米海軍の強襲揚陸艦と同程度の強襲揚陸艦海上自衛隊が装備して、F35Bを装備すべきだと提案したことはあった。

今朝防衛省の然るべき官僚に問い合わせたところ、東京新聞にも同様の記事が載っており、この記事は遺憾であるとの話であった。

私は軽空母とF35Bの導入を前向きに勉強している。

その中で、議員会館に議案説明に来た防衛省職員に対して「ひゅうが型護衛艦の船首底に大型の対潜ソナーを装備しているが、あれは必要なのか」と質問したことがある。答えは予想通りでがっかりした。

ひゅうが型護衛艦は船首底に大型対潜ソナーがあるため、スキージャンプ型に改造するのに大きなネックになり、改造は難しいと思っている。

軽空母といっても、「いずも」型護衛艦はトン数(満載排水量約2万6千トン)、全長(248m)など、その大きさで、戦前の日本海軍の正規空母「飛竜」型を超えており「瑞鶴」型に近い。

そして、現在航空自衛隊に配備中のF35Aも、取得単価が当初の124億円から147億円へと増額となり、かなり高価な戦闘機となっているが(F15戦闘機は最後の取得価格は約115億円であったと記憶している。)、F35Bは垂直離着陸が出来る機能を備えている分もっと高額となる。

しかし、我が国がF35B戦闘機を装備することは、我が国防衛のために有効であるとも考えている。

課題はその運用である。

日本防衛のための戦略をどう考えるのか、次期防衛計画大綱を検討中であるので、そこにどう定めるのかまだ自民党には提示される前だ。

1996年、米国がトランスフォーメーション戦略を発表して国際戦略が大きく変化し、海外展開する米軍を縮小する方向を打ち出すなか、アジアでは中国、北朝鮮の脅威が増し、日本を取り巻く情勢は大きく変化して日本独自の防衛努力が求められており、政府はその為の政策を実施している途上である。

また、高知新聞の同記事の解説欄には、共同通信石井編集委員が「戦後日本の防衛の基本方針である専守防衛を逸脱してしまう恐れがある。」とも書いてある。

私は以前から党の国防部会などで、日本を取り巻く情勢が変化する中で専守防衛で我が国が守れるのかと、専守防衛政策に疑問を投げかけてきた。

専守防衛は政策なので憲法9条を改正しなくても変更できるという政治家もいる。しかし、平成28年防衛白書には「これまでわが国は、憲法のもと、専守防衛に徹し」と書いてあり、あたかも専守防衛の変更は憲法の趣旨を逸脱するかに読める。

昭和の初めにも、国防論議の中で専守防衛を取るべきだと主張する軍人もいた事は、以前このブログに書いた。

私は専守防衛政策は、米国との安全保障条約があり、その米国が圧倒的な軍事力を持ち、その支援があってこその政策であると考える。

日本を取り巻く現状は、米国がこの地域において圧倒的な軍事力を持っている状況から変化していると考える。

なにより、米国が日本に対してより一層の防衛努力を求めている。日本もその努力をすべきである。

軽空母とF35Bの導入は検討すべき課題だと思う。