首都直下型地震について

先日の勉強会で、近い将来起きるであろう首都直下型地震の被害と救助について大変心配な話を聞いた。講師は中央防災会議の委員でもある関西大学の河田惠昭教授です。

一つは、1755年のリスボン大震災後、ポルトガルは覇権を失い、以後「日出づる国」でなくなったのに、日本人にその危機意識がないとの指摘だ。

このリスボン大震災では地震の40分後に15mの津波が来襲し、火災は5日間にわたって燃え続け、地震で2万人が即死、津波、火災で合計8.5万人が死亡した。当時のリスボンの人口は27.5万人、人口の31%が犠牲になったということだ。

この災害によってポルトガルの国力は急速に衰えたという。

また、江戸幕府の衰退は、1854年から3年連続した巨大複合災害が加速・増幅したと指摘された。

そして、首都直下型地震が先行して、その後、南海トラフ巨大地震が発生した場合は復旧・復興が大幅に遅れ、「日の沈む国」になってしまうとの指摘があった。

東京一極集中の弊害が大きすぎる。

二つ目は、元国土交通省技監の大石久和氏が書いた「危機感のない日本の危機」という本に書かれていたが、関東地方に医師の数が少ないとの指摘だ。

これまでの神戸大震災、東日本大震災の時と比べ物にならないほど救助の医療体制が遅れるとの指摘だ。

そこで、私が調べてみた。

都道府県の人口10万人あたりの医師数は、(平成28年12月末)全国平均が240.1人、東京都は304.2人と平均以上であるが、埼玉県は160.1人ともっとも低く、茨城県は180.4人、千葉県が189.9人、神奈川県が205.4人と関東各県はのきなみ低い。

これを諸外国と比べると、OECD加盟国の人口千人あたりの臨床医師数は、日本の2.4人という数はビリから4番目、2.5人以下は5ヶ国、日本の下がポーランド、韓国、メキシコ、上にカナダがいる。

残り26ヶ国は全て日本より上だ。

大石氏も河田教授と同じく、この危機に日本人は気付いていないという指摘だ。

早急に対策を打つ必要がある。