ホルムズ海峡波高し

昨日、ホルムズ海峡の緊張について日本海事新聞社の記者のインタビューを受けた。

6月13日、中東のホルムズ海峡に近いオマーン湾を航行中だった2隻のタンカーが攻撃を受け、1部炎上した。誰が攻撃したのかは未だ定かではない。

米国はイランの仕業と断定したが、イラン革命防衛隊は攻撃を否定している。

攻撃した勢力も分からなければ、その武装組織がイラン政府のコントロール下にあるのかどうかもさっぱり分からない。

ホルムズ海峡が機雷封鎖されたら日本へ向かうタンカーはどうなるのか、日本の原油価格が高騰するとの懸念は何十年も前から提起されてきたが、未だ対策が講じられていない。

また、日本の原油輸入地域は中東へ偏っているので、アフリカや米国、中南米からの輸入を開拓すべきだが、中々進まない。

この事態で、日本の船舶保険料が10倍になったとの新聞報道もあった。

しかも、攻撃は安倍総理がイランへ出向いて米国とイランとの間の核開発を巡る一触即発の争いの仲裁?を行なっている最中に起こった。

日本はこれまで中東諸国と良い関係を築く努力を続け、イランとは独自の関係も築いていると思われた。

イランのハメネイ最高指導者はトランプとの話し合いを拒否した。

米国は核開発を進めるイランへの攻撃を否定しない。

米国は以前ほど中東の原油及び平和に関心を持っていないだろう。従ってホルムズ海峡の安全は関係する各国が守れと、有志連合の結成を呼びかけている。日本はこれに加わるかどうかの態度を決めていない。

私は日米同盟を強化なものにすべきだと考えてはいるが、中東問題に関しては、これまで日本が培ってきたイランとの関係を元にして独自の路線を取ることも必要だと考えている。

ただし、日本独自でホルムズ海峡を含むシーレーンの安全を確保する事は不可能に近い。

今回は砲撃だとの報道もあれば、イランのリムペットマイン(吸着水雷)の攻撃だとの報道もある。

ホルムズ海峡のような狭い地形では機雷戦は安価で非常に効果のある戦法である。

今後もこういう事態は起こりうる。

まずは日本の外交努力が必要だろう。