北朝鮮のミサイル実験について

ここ数年北朝鮮がミサイル開発を進め、今年はすでに11回の発射を行なっている。

先日は日本のEEZ内に着弾し、昨日も自民党本部で国防部会、外交部会など5つの会の合同部会が開かれて私も出席した。

北朝鮮のミサイル技術が進歩している事は事実である。

一方日本のミサイル防衛体制はどうか、弾道ミサイル防衛は高い高度をイージス艦、低い高度をPAC -3ミサイルを装備して対応している。

しかし、弾道ミサイルは数十発を一度に撃たれると対応は難しい。

北朝鮮は今回のミサイルは潜水艦搭載型の「北極星3」と発表した。

北朝鮮は以前に旧ソ連のゴルフ型潜水艦をスクラップとして複数輸入したようだ。この潜水艦はディーゼルエンジンと電池動力で動くミサイル搭載型(セイル後部に3〜6発搭載)の船だ。

数年前にこのゴルフ型と思われる潜水艦を持っているとの報道があった。何しろスクラップとして解体する為にロシアが売った船だから、実戦で使えるかどうかは不明だ。また、新型潜水艦を建造してるとの報道があるが真相は不明だ。

潜水艦は駆逐艦の造船よりは難しい。北朝鮮が凄い造船技術を持っているとの見方は無い。

今回水中から発射したミサイルは新型の潜水艦発射弾道ミサイルであり、通常軌道で発射されれば射程距離2千5百キロに達すると推定されるが、潜水艦から発射されたものか、水中発射台から発射されたものか判断はついていない。

また日本のミサイル技術はどうか、H2Aロケット(全長53m)、H2Bロケット(全長56m)により大型人工衛星の打ち上げに何度も成功しており、少し小型のイプシロンロケット(全長26m)は世界最大の固形燃料ロケットで、この打ち上げにも複数回成功している。またSS520ロケット(全長9.65m)により小型人工衛星の打ち上げにも何度も成功しており、ミサイル技術も世界で有数の技術を持っている。

北朝鮮のミサイルが脅威である事は確かだが、日本と北朝鮮が政治的に緊張しているわけではなく、北朝鮮は米国へのアピールであると思う。

したがって、我が国は冷静に対処すべきだと思う。

情報収集衛星の追加配備を優先すると同時に、ミサイル迎撃態勢を再検討する必要がある。