自衛隊の中東派遣について

本日(27日)自衛隊の中東派遣が閣議決定された。

12月14日に自民党政調会で了承された日に少しブログに書いたが、今回詳しくお知らせする。

日本は原油の8割以上を中東からの輸入に依存し、ホルムズ海峡は日本の原油輸入にとって大変重要な海域である。

この海域で今年の5月と6月に外国船に対するイランからの攻撃があり、6月には日本関係船舶の被害も発生した。

この攻撃が、イラン国軍であるイラン・イスラム共和国軍からなのか、イスラム革命防衛隊からなのか、またそれ以外の武装勢力なのか未だに定かでない。

イラン・イスラム共和国軍とイスラム革命防衛隊とは、革命防衛隊設立当初から連携が取れているとはいい難いようだ。

現在は武力攻撃もなく落ち着いているが、この地域が危険な地域であるとの認識は必要だ。

そもそもの原因は、イランの核開発に対して制限をつけた2015年7月の、イランと英仏独米中露6カ国の「包括的共同作業計画(イラン核合意)」から始まる。

2018年5月に、米国がこの核合意から離脱し、イランに対して経済制裁を再適用した。

そして今年5月にイランのローハニ大統領は、この制裁に対する核合意の枠内での4段階の対抗措置をとる事を表明した。

そういう中で、外国船舶に対する攻撃があり、米国は「海洋安全保障イニシアティブ」を提案し、英国、豪州等と共に、艦船等による活動を実施している。

また、フランスも、欧州諸国のイニシアティブに取り組んでおり、UAEへの司令部設置を表明している。

今回、日本は、米国と同盟関係にあり、同時にイランと長年良好な関係を維持するなど、中東の緊張緩和と情勢の安定化に向け、関係国に対し働きかけを含む外交努力を実施しており、イランに配慮して米国とは違った対応を取る事としたものである。

もちろん、米国をはじめ諸外国とは意思疎通や連携は行う。

自衛隊派遣の法的根拠は、防衛省設置法第4条の「調査・研究」に基づいて派遣する。

あくまで情報収集が目的の調査・研究活動であり、現在海賊対処活動で派遣されているP-3C対潜哨戒機に加え、新たに護衛艦を一隻派遣する。

派遣期間は概ね約1年間である。

保護対象となる船舶は、2009年の海賊対処時と同様で以下の通りである。

・日本籍船の船舶

・日本人が乗船する外国籍船

・日本企業の運行する外国籍船

・日本の積荷を輸送する外国籍船(但し、我が国国民の安定的な経済活動にとって重要な船舶)

私は賛同する。

ただし、この危険な地域であるので、緊急事態ではすぐにでも海上警備行動を発令する体制を敷く必要がある。

また、部隊の補給体制、医療体制など、今後詰めていくべき課題について、自民党議員からも提案があった。