米露首脳会談中止

23日朝のニュースで、ウクライナ情勢をめぐって行われる予定であった、バイデン米大統領プーチン露大統領の会談が中止されたとの報道が流れた。ブリンケン米国務長官とラブロフ露外相との会談も中止された。

バイデン大統領は「ロシアのウクライナ侵攻が始まった」と述べた。

ロシア軍がウクライナとの国境に15万〜19万の兵力を配備したと見られている。これに対し、米国、ドイツ、イギリス、フランスなどはこの地域に兵力を派遣していない。

完全にこの地域の軍事バランスは崩れていた。

軍事の背景の無い外交がいかに無力であるかを目の当たりにしている。

自民党では、外交部会、国防部会で頻繁にウクライナ情勢の説明がある。

昨日も外交部会があり、私も発言した。

本格的なロシアのウクライナ侵攻が始まれば短期間に首都キエフは落とされるであろう。

ウクライナ邦人と現地人職員の国外避難等の状況を聞いた。出来得ることは準備しているようだ。

また、これが終われば次はバルト3国への侵攻が予想される。

こちらはNATO加盟国だ。昼のNHKニュースでバイデン大統領が「バルト三国への米軍の増派を発表した」と報道されている。

ウクライナ情勢に戻る。ソ連崩壊後の三十年近く前、ウクライナ国内にあった旧ソ連軍の大陸間弾道弾(ICBM)をロシアへ移せと、ロシアは主張したがウクライナは拒否した。

そこで、核弾頭の拡散を恐れる米、英、仏、中も加わってウクライナに対し大陸間弾道弾をロシアへ移せと迫った。

その時ウクライナ政府は「将来ロシアがウクライナへ侵攻する恐れがある、その時ウクライナはどうやって独立を守るのか」と抵抗した。

それで、米英などは「その時には我々がウクライナを守る」と言ったと報道された。

ウクライナ政府の心配は的中した。

(追記:ヤフーニュースで「ウクライナは1994年12月7日、米国・英国・ロシアなどと「ブダペスト覚書」を締結し、当時世界3位規模であった核兵器を放棄するかわりに、領土の安全性と独立的主権が保障されることになった。ウクライナは1800余基の核弾頭とICBM大陸間弾道ミサイル)を全てロシアに返還・廃棄し、1996年6月には全ての核兵器をロシアに渡し、非核化を完了した。)

 

私は、1936年のヒットラーによるラインラント進駐、その際、軍事力で優勢であったフランスもイギリスもナチスドイツに対し軍事行動をおこさなかった事が、3年後のナチスドイツによるポーランド侵攻による第二次世界大戦の勃発に繋がった、との元英国首相チャーチルの後悔を思い起こしている。