高知県建設業協会の総会後の懇親会に参加

10日(金)午後5時30分から、高知市内のホテルで高知県建設業協会の総会後の懇親会に出席し、祝辞を述べさせて頂きました。

今回の総会で、新会長に須工ときわ(株)の國藤浩史さんが就任されました。

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(上の写真は新役員、右から3人目、下の写真が國藤新会長)
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私は祝辞の中で、来年度予算編成の指針である「骨太方針2022」が6月7日に閣議決定された話をさせてもらいました。

言葉足らずで上手く話せなかったので、このブログで補足します。

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安倍元総理は2月9日の「責任ある積極財政を推進する議連」の設立総会の講演で『2025年にPB黒字化を実現する』というカレンダー目標は、予算を組む者に取って足枷になるので止めるべきだ。」との趣旨の発言を初めてしました。

これを受けて、我々「責任ある積極財政を推進する議連の役員会(中村裕之、谷川とむ、中西哲の共同代表、城内実顧問ほか数名)」では毎週一度、昼に対策会議を開き、この実現に向けて勉強を続けてきました。

そして、PB黒字化目標の削除については、自民党の「財政政策検討本部(西田昌司本部長、安倍晋三最高顧問)」と「財政健全化推進本部(額賀福志郎本部長、麻生太郎最高顧問)」の勉強会に出席して積極的に発言して来ました。

その効果もあって、5月30日の午後に西田、額賀両本部長、安倍、麻生両最高顧問の話し合いで、骨太から削除する事で合意しました。f:id:nakanishi-satoshi:20220610193932j:image

しかし、まだ骨太方針案には「本方針及び骨太方針2021年に基づき」という文言が残っており、これがある限り積極財政は実現出来ません。

我々はこの文言の削除を求めました。

また、この議論の過程で、「骨太方針2015」から当初予算の一般歳出は3年間で1.6兆円、そのうち社会保障費が約1.5兆円、非社会保障費は0.1兆円とする、という予算に対する上限がある事がわかりました。(以下予算キャップと言う)

これが「骨太方針2018」「骨太方針2021」と続き、財務省は来年度もこれを続けようとしていることが分かりました。

この予算キャップがある限り、当初予算での投資的経費の増額は出来ません。デフレからの脱却は無理です。

これがあるから、長い間公共事業費の当初予算は約6兆円に抑えられてきたのです。

この事に多くの国会議員は気がついていませんでした。

2014年〜2015年は安保法制を巡って国会が紛糾している時で、多くの議員は骨太方針に関心が向いていなかったようです。

それが、今回の自民党政調全体会議が大紛糾して4回にわたって開かれた大きな原因でした。f:id:nakanishi-satoshi:20220610193929j:image

この問題は最終的に高市早苗政調会長と岸田総理との話し合いで、この文言は残す代わりに「ただし、重要な政策の選択肢を狭めることがあってはならない」との文言を付け加える事で合意しました。

また、「重要な政策とは何ですか」との我々の質問に対して、黄川田内閣府副大臣から極めて積極的な答弁がありました。

(これらの経緯は新聞等で報道されました)

また、消費税についても、安倍元総理は自分の政権で、8%、10%と2度にわたって増税し、景気回復が出来なかった事に忸怩たる思いを持ってました。

この件については、財務省から提出された資料では、消費税増税しても景気後退は起こらないという事だったそうです。

安倍政権で財政運営を支えた元官僚の方も「資料を見て、10%への増税は大丈夫だ、景気後退は起こらないと考えていた。」と、私に話してくれました。

しかも、令和元年の消費税8%から10%への増税の際に政府は、増税による歳入増を6兆3千億円と見積もり、対して、消費減の対策費として6兆6千億円の歳出予算を組みました。しかし、この対策費にもかかわらず、消費が落ち込み景気は後退しました。

これらの話をさせていただき、議員引退後もデフレからの脱却に何らかの関わりを持って行く事を話させて頂きました。

ちなみに、政府の骨太方針が作られ始めたのが2001年の小泉政権からですが、(財務省の作った)政府原案に対して自民党政調全体会議の議論で、議員が文言の削除、加筆を実現させたのは初めての事だそうです。

これこそ財政民主主義です。