安倍元総理の国葬の儀の法的根拠について

10月9日に発表された共同通信社世論調査の中で、安倍元総理の国葬の儀に関する質問の回答として、

どちらかといえば評価しない 23.1
評価しない 38.8

という結果があったので、この件について書きます。

元財務官僚の髙橋洋一氏は、彼のYouTubeの中で、

「戦前には国葬令という法律があったが、戦後なくなったので、吉田茂総理の国葬の際に議論があり、それが続いていたので、政治家の国葬は、1999年に省庁再編に基づいて改正された内閣府設置法に定めた。

また、天皇皇后の国葬については、同法で、憲法7条の国事行為で行うと定めた。」

と発言した。

私が調べたところ、

 内閣府設置法第4条第3項第33号に、内閣府の所掌事務として、国の儀式に関する事務に関することが明記され、国葬儀を含む国の儀式の執行は、行政権に属することが法律上明確となっており、閣議決定を根拠として行いうる。

また、松野博一官房長官が7月22日の記者会見で同様に語り、岸田総理も同様の発言をしているようだ。

ただし、それを新聞で報じたのは産経新聞だけであったとのことです。

また、国会の質問主意書の答弁として、「国の儀式を行うことは行政権の作用に含まれること、内閣府設置法内閣府の所掌事務として国の儀式に関することが明記されており、国葬儀を含む国の儀式を行うことが行政権の作用に含まれることが法律上明確となっていることから、閣議決定を根拠に国の儀式である国葬儀を行うことが可能としています。」という記述があります。

国民の多くは、マスコミが国葬に要する費用は16億円もかかる、と否定的な報道がほとんどであった為に、費用の多さと、法的根拠が不明確との報道に惑わされていると思います。

高知県の地方議員が、県民からその点を指摘されて、反対だと言われたと聞きました。

正確に報道しないマスコミの報道姿勢は、今に始まったことではないが、困ったものです。

 

[参考]
内閣府設置法第4条第3項第33号

 国の儀式並びに内閣の行う儀式及び行事に関する事務に関すること(他省の所掌に属するものを除く。)。