外交防衛委員会の質疑

24日(木)先週に続いて参議院外交防衛委員会で質問の機会を与えられた。前回時間不足で質問出来なかった件を中心にして質問した。

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まず初めに、先ほど小野寺防衛大臣から日報問題について報告がありました。再発防止に全力を挙げるということです。組織としてたるんでたるんでいるんじゃないかと言われても仕方のない状況である。緊張感を持って臨んでもらいたいと要請しておく。

1、情報収集衛星の配備計画について(答弁:内閣情報調査室内閣衛星情報センター笠原次長)

この問題について私は以前別の委員会質疑で取り上げたが、北朝鮮の日本EEZ内へのミサイル発射など、日本を取り巻く状況が急激に変化している状況を考えると、日本独自で衛星情報を獲得できる体制を早急に整備する必要があるのではないかと考えている。

(1)まず初めに、現状何機体制で、どのような目的を持っているのか聞く。

【答弁】

光学衛星2機、レーダー衛星4機の6機体制となっている。

(2)将来、情報収集衛星を10機体制にする計画があるが、何年を目標としているのか、また、10機体制になると現在と比べてどう変わるのか。

【答弁】

平成38年度以降に10機体制となる。

10機体制の整備により、関心対象の撮像機会の増加や情報収集の即時性の大幅な向上といった効果が期待でき、我が国の情報収集能力の強化に資するものと考えている。

(3)この情報収集衛星に関する当初予算はここ十年ほどでどの程度予算化されているのか。

【答弁】

ここ10年ほど情報収集衛星に関する当初予算額は6百数十億円台である。今年度は約620億円を計上している。

安倍政権になってから補正予算(年100億円前後)は付いているが、業務の継続性などを考えると当初予算額を少しずつでも増やすべきだと思うが、いかがか。

【答弁】

お話の通り補正予算はついてはいるが、やはり当初予算の方で確実に確保していきたいと考えている。

(4)予算を集中投資して、計画の完成年次を前倒しする必要があると思うが所見を聞く。 

【答弁】

昨今の厳しい国際情勢の中で外交防衛等の安全保障や大規模災害等への対応等の危機管理のために情報収集衛星の役割はますます重要になっていると言うふうに我々も認識している。10機体制の確立は委員ご指摘の通り、わが国の情報収集体制の強化に資する大変重要なものと考えている。当センターでは今年2月に光学6号機打ち上げに成功し、この6月にはレーダー6号機の打ち上げを予定しているところである。可能な限り早期の10機体制が確立できるようさらに努力していく。

(5)次に、準天頂衛星「みちびき」について(内閣府宇宙開発戦略推進事務局・高田修三事務局長)

①我々はアメリカのGPSから情報をもらっていて、カーナビを含めて様々な分野で使われている。日本の「みちびき」は昨年10月に4号機が打ち上げられて、平成30年度から4機体制での運用が開始されることとなった。この衛星はGPSの補完機能として稼働すると聞いておるが、将来的に何を目指しているのか聞く。

【答弁】

準天頂衛星システムは、わが国独自に整備を進めている日本版GPSと呼ばれる衛星測位システムで、主な役割は3つある。1つは日本のほぼ真上にある準天頂に位置することでGPS信号の続きにくい都市部のビルの谷間や山間部にも位置情報を提供できるようになる。 2つ目に、センチメーターレベルでの精度の高い位置情報を提供することで、自動車や農業機械の自動走行などへの利用が期待されている。3つ目に防災、減災に役立つよう避難所からの安否情報などを収集、通信する機能の提供である。この準天頂衛星システムについては、持続測位が可能となる7機体制を平成35年度をめどに運用を開始すると宇宙基本計画にあり、この計画に沿って着実な構築を目指していく。

②7機体制の話がでたが、7機体制になると、日本周辺に限ると「みちびき」だけで米国のGPSに代替しうると聞いているがどうか。

【答弁】

おっしゃる通りです。7機体制ができれば、GPSに頼ることなく準天頂衛星システムのみでも持続測位が可能となる。

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2、(小野寺防衛大臣

(1)前回、次期戦闘機開発について、日本を中心とした共同開発を提案して、装備庁長官から答えをいただいたが、次期戦闘機を日本が中心として開発できるかどうかは、日本の自衛隊の航空機開発に関わる国内航空機産業の浮沈に関わる問題であり、小野寺防衛大臣が最終判断をされるものでありましょう。そこで改めて小野寺防衛大臣の所見をお伺いいたします。

まず中西におかれましては、今週月曜日でありますが、21日横須賀でありました練習航海のお見送り、出港式にご参加いただきまして、ありがとうございました。

今ご質問がございましたが、F2の後継機については、現在、国内開発、国際共同開発、既存機の能力向上等といった選択肢を含め、防衛省内で議論を重ねながら様々に検討しているところであります。こうした検討においては、急速に進展する技術動向を踏まえながら、将来戦闘機に求められる機能、性能を探求していくこと、同盟国たる米国との相互運用性をしっかりと確保すること、開発経費や取得単価も含めたライフサイクルコストを抑制していくこと、国内の防衛生産、技術基盤に寄与することも重要な視点であり、その他様々な要素を総合的に勘案していく必要があると考えている。

いずれにしても、将来戦闘機については、委員のご指摘の視点も含め、将来の戦闘機体系全体のあるべき姿の中で位置づけながら、引き続き関係部署が連携して検討を進めてまいりたいと考えている。

(中西)

小野寺防衛大臣の決断に期待しております。

(2)次に、島嶼防衛作戦については陸上自衛隊のヘリコプター部隊の活用が大きな兵力となる。

しかし、陸上自衛隊の攻撃型ヘリ、輸送型ヘリの現状は老朽化が進み満足のいくものではないと推測する、特に攻撃型ヘリ、アパッチは13きしかなかったのが、この間不幸な事故で12機となった。

現状はどうか、認識を聞く。

【西田整備計画局長答弁】

輸送ヘリCH 47JAは、現中期防で計画数6機を平成29年度予算で取得をしている。また、V22オスプレイは、中期防の計画数17機を27年度から30年度予算で取得をしている。一方戦闘ヘリについては現中期防における取得は無い。戦闘ヘリの状況であるが、平成10年に取得を終了したAH1Sコブラの減勢が始まっている。また、その後継として取得したAH64Dアパッチは12機の保有となっている。

(中西)

次期ヘリコプターUHXはほぼ機種も決まり、主に多用途ヘリUH1の後継となる。これを攻撃ヘリに改造していくという事ですが、まだその数も決まっていない。一方で島嶼防衛については非常に大きなウェイトを占めている。

以前自衛隊のOBの方とお話ししたときに、例えば島嶼のどこそこがもし攻撃されたという場合、攻撃型ヘリが何十機いって輸送ヘリがどの程度いってと言う数字も聞かされたことがある。それからすると今は本当にコブラは古くなってもう稼働率が下がっている。そういう中で、まだ次の機種も決まっていない。これ、しっかりしてくださいよ。これを指摘しておきます。

(3)次に航空支援の主体となるF2戦闘機は、現在福岡県の築城基地に2個飛行隊(第8航空団、第6、第8飛行隊)があるが、例えばもし有事となったときに、もうちょっと近いところにいないと、青森の三沢から飛んでくる、本当に大丈夫かというような心配がある。どう考えるか。

【西田局長答弁】

事態対処時においては、これらの戦闘機について、必要に応じて平素の配備先から別の基地へ機動的に展開をさせ、航空支援任務を行うことを想定しており、築城基地に配備されている飛行隊のみで対応するわけではない。

いずれにしても、島嶼防衛における航空支援任務の実施も含め、将来の戦闘機部隊の在り方については、防衛大綱の見直し、あるいは次期中期防の策定に向けた検討の中においてしっかりと検討していきたいと考えている。

 

3、自衛隊員定員の確保について(武田博史・人事教育局長)

(1)これまで景気がよくなると自衛隊志望者が減少していた、最近は少子化により、自衛隊員の募集対象者人口が急減している。平成6年に約1,700万人であった対象者は、平成27年には約1,100万人と約40%減少している。これらの状況に対してどのような対策を講じているか。

【答弁】

今後ますます厳しさを増す募集環境の中、優秀な人材の安定的な確保を図るため、防衛省としては、中央と地元の地方協力本部が連携し、かつ地元自治体、学校、募集相談員等のご理解とご協力を得ながら、それぞれの地域において出来る限りきめ細で効果的な募集・採用活動を行うことが必要であると考えており、具体的な方策について不断に検討し、施策化できるものから実施するなど、このための取り組みに全力を尽くしていく。

(2)海上自衛隊の艦船勤務の希望者が減少していると聞いているが、最近どんな対策を打っているのか。

【答弁】

艦艇における生活環境の整備に関する取り組み状況については、平成29年度から艦艇に隊員が利用できる無線LAN環境、すなわちWi-Fiを使用できる環境を整備し、長期間の航海の際にも家族等との連絡の容易化を図るとともに、乗組員や家族等の心的負担の軽減を図った。長期間の航海の任務に就く艦艇には、平成30年度中にほぼ整備が完了する見込みである。

今後も引き続き、航海中における乗組員の心的負担を軽減するため、生活環境の整備に努めていく。