パーティー券問題、参議院政倫審で西田昌司議員が供述

3月14日、清和研のパーティーキックバック問題で参議院政治倫理審査会が開かれ、午前中は世耕弘成議員、午後は西田昌司議員、橋本聖子議員が出席して供述した。

世耕弘成議員は、安倍晋三元総理が暗殺された後の2022年8月上旬に、清和研幹部の塩谷立下村博文西村康稔議員の4人と事務局長で会を開いた。

その会合では何も決定していないが、収支報告書にも出る形で返そうではないかというアイデアが出て、私はそれなら反対しないという意見を述べた気がする、と語ったが、誰が提案したかは記憶にないと答えた。

これでは、国民も国会議員も納得しないだろう。

午後に出席した西田昌司議員は、世耕弘成議員の責任を取らない供述を強く批判した。

私は衆議院の政倫審も、武田良太議員の供述もテレビで見た。今回の西田、橋本両議員の供述を見て、事務所によってキックバックされたお金の処理の仕方がそれぞれ違う事が分かった。

マスコミ報道でも、清和研の各議員事務所でも困っていたとの報道があった。

西田昌司議員も繰り返し発言していたが、私も何故清和研だけがこういう裏金作りを派閥全体でしたのか、その理由がよく分からない。

西田昌司議員の政倫審での発言は好感が持てた。とりわけ、秘書がキックバックのお金の処理に困り、清和研の派閥事務所へ行き、領収書を受け取ってもらうよう頼んだが受け入れられず、お金を預けて預かり証を発行してもらったが、それらの事実を西田議員に伝えていなかったとの話があった。

西田議員は、私に伝えると清和研に抗議して、派閥の中での私の立場が悪くなる事を考慮したのではないか、と話し、そうであるなら私の責任だとも話した。

西田議員は参議院当選3回、普通であれば、大臣、副大臣政務官、委員長などの役職にもついている。それをしないのは、自分で要求しないからだと話された。

そういう経歴だから怖いもん無しで、派閥の中でも国会質疑でも常に自論を堂々と発言する。

西田議員は昨夜、BSフジのプライムニュースにも出演者して、私は最後まで見たが、その発言は非常に好感を持てた。

同性婚を想定してないのが憲法24条の趣旨

本日(14日)札幌高裁(斎藤清文裁判長)は、北海道内の同性カップル3組が国に1人あたり100万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、同性婚を認めない民法などの規定は「婚姻の自由」や「法の下の平等」を保障した憲法に反するとし、また「憲法同性婚も保障しており、現行制度は違憲」とする判断を示した。一方、法改正をしていない国会の対応が違法とまでは言えないとし、国家賠償の請求は棄却した、との報道を見た。

私が大学で憲法を教わった当時「婚姻は、両性の合意のみに基づいて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、」という憲法24条の規定は、男性と女性という両性の合意が前提となっている事は当然の事でした。

憲法の基本書には書かれていませんでしたが、憲法の教授は男女間の婚姻が当然の事であるとして教えてましたし、「夫婦が」という記述もそれを前提としたものでしょう。

私は、同性が同居生活をする事を否定するものではありませんが、民法の規定が憲法違反だという判決はおかしいと思う。

鳥山明さん有難うございました

漫画「ドラゴンボール」や「Dr.スランプ アラレちゃん」で有名な漫画家の鳥山明さん(68歳)が亡くなったとの報道があった。

今から三十年以上前、長男がテレビ放映されていた「Dr.スランプ アラレちゃん」が大好きで、私は漫画本も買い入れ、妻と共にすっかりファンになった。

f:id:nakanishi-satoshi:20240309141404j:image

世界的に有名な漫画家なので、世界のあちこちで逝去の報道が流れているそうだ。

鳥山さん、有難うございました。

心より哀悼の意を捧げます。

高橋洋一氏が自民党の財政政策検討本部の勉強会へ講師として登場した。

本日(3月7日)午後4時より自民党党本部の7階会議室において、自民党政務調査会に置かれている「財政政策検討本部」(西田昌司本部長、城内実幹事長)の今年第一回目の勉強会が開かれた。

講師として元財務官僚で嘉悦大学教授の高橋洋一氏を招き講演して戴いた。

その概要が数十分前にYouTubeの「高橋洋一チャンネル」で公開されましたので、下のアドレスをクリックして皆様是非ご覧ください。

この中では、前回このブログで紹介した財務省よりの議員で構成されている、財政健全化本部長の古川禎久衆議院議員の「日本の財政状況は世界で断トツに悪い。信認を損なわないためにも、財政健全化の努力は絶えず続けていかねばならない」とのコメントに対する反論も紹介されている。

https://www.youtube.com/live/S0x9J4fSpDY?si=39UjvYWeO5v7KDAd

 

自民党財政健全化本部長・古川禎久氏の財政認識は間違い

3月4日、古川禎久自民党財政健全化本部長は、マスコミの取材に応じて次のように述べたと報道があった。

【「年度に国と地方の基礎的財政収支プライマリーバランス、PB)を黒字化させる財政目標を堅持する考えを示した。「PB目標先送りの声もあるようだが、それは本末転倒だ」と述べた。インタビューは2月29日に実施した。
古川本部長は「内閣府の中長期試算によれば、歳出効率化の努力を続けていけば2025年度のプライマリーバランス黒字化の実現も視野に入るとされる」とする一方、「高い経済成長や税収増を前提にしており、容易な状況ではない」と指摘した。
そのうえで「日本の財政状況は世界で断トツに悪い。信認を損なわないためにも、財政健全化の努力は絶えず続けていかねばならない」と言及。「25年度のPB黒字化目標は堅持して、歳出・歳入両面の見直し努力を続ける」と語った。】

この考え方は間違いです。

まず、「日本の財政は状況は世界で断トツに悪い」との認識ですが、日本銀行のバランスシートを加えた「統合政府バランスシート」でみるとG7国中2位の極めて健全な財政です。

「統合政府バランスシート」で見る理由は、日本銀行は政府が55%出資している。さらに日銀法では、政府による役員任命権と予算認可権を定めているので、政府の子会社であると考えて良いからだ。

世界の主要先進国では、中央銀行との「統合政府バランスシート」で見るのが普通である。

だから、世界の市場から日本の国債に対する信任が高い為に、国債金利は上がらず、安定している。

マサチューセッツ工科大(MIT)名誉教授のオリヴィエ・ブランシャール教授も、昨年5月に日本で出版された「21世紀の財政政策」の中で、「まず日本国債は投資家層が非常に安定しており、外国人投資家が保有する国債の割合は13%に過ぎない。伝統的に、日本の投資家はより安定的である。第二に、現在では日銀が国際の主要な保有者であり、安定した投資家の役割を果たし、他の投資家と一緒に売却しようとせず、他の投資家が売却したときには進んで購入するだろう。」と述べている。

さらに、国債金利よりもGDP成長率が高ければ(金利<成長率)財政は破綻しない。(ドーマ条件)

日本はこの状況にある。

古川禎久議員は財務省の代弁者だが、そもそも財務省プライマリーバランスの黒字化を目標とし、こだわるのは財政破綻を懸念しているからだ。

財政破綻を回避する事は我々も同じだ。

しかし、先に書いたようにPB黒字化目標の数式の前提条件が間違っている上に、現在の日本は、国債金利GDP成長率よりも低い状況が続いている。

何よりも、政府はデフレ状況ではなく、消費者物価が上がりインフレ懸念があると見ているが、実質賃金は21ヶ月連続して下がり続けている。

さらに、消費者物価が上がっているが、これは国内需要が増加し、物不足となって起きる「デマンドプル・インフレ」ではなく、原油価格、飼料価格等の高騰、サプライチェーンの生産力低下など、コロナ禍やウクライナ戦争の影響で輸入価格が高騰したのが原因の「コストプッシュ・インフレ」であり、この状況で、金融引き締めやPB黒字化の為の財政出動縮小をすべきではない。

現行のPB赤字化は問題なく、継続してインフレ率2%が達成されるまで、日銀はもう少しの間金融緩和を続け、政府は国債を発行して財政出動をすべきです。

そうしないと、またデフレに逆戻りする。

 

国会の混乱

国会は会期末になると、野党が予算案に抵抗して混乱する、毎度のことだ。

今回は自民党のパーティー券の問題で、2月29日に衆議院政治倫理審査会が開かれ、岸田首相や二階派事務総長であった武田良太衆議院議員が出席して質疑、この時、武田議員はパーティー券を千枚売るノルマがあったと発言し、私は驚いた。昨日1日は安倍派幹部であった松野博一議員、西村康稔議員、塩谷立議員、高木毅議員が出席して質疑が行われたので、国会日程は余計混乱した。

自民党の一部議員が派閥のパーティー券のノルマ超過分をキックバックしてもらっていた事が、問題の発端であるので、自民党に一番責任があるのは当然である。

しかし、予算案の衆議院での成立を遅らせるために、野党は小野寺五典予算委員長に対する解任決議案を提出した。そして、直後の本会議で、立憲民主党山井和則国対筆頭副委員長が趣旨弁明で2時間54分に及ぶ演説をした。

それに加えて、本会議の採決でれいわ新撰組の大石あきこ議員が一人で牛歩戦術をとり、投票出来なかったようだ。

これらの行動も私のいた当時の参議院でも何度もあった。

私の在職当時の参議院野党の演説は、女性議員が2時間くらいやったと思う。

また、牛歩戦術はれいわ新撰組山本太郎議員ともう一人の議員が何度かやり、投票箱閉鎖で投票出来なかった事もあった。

彼らは国民に対するアピール、国民受けを狙ってやっているのだが、国民から馬鹿にされているのが分からないようだ。

当時、私は牛歩戦術をとる議員を映すニュース映像を見て「こんな場面を放映すなや」と思ったが、今回はさすがに額賀衆議院議長のみを映し、大石議員は、投票箱が閉鎖してから投票札を持って壇上に立っているのが数秒映っただけだった。それだけは良しとする。

今回は、野党でも国民民主党幹事長の榛葉賀津也議員が、記者会見で、山井議員の演説を批判しているのを見た。

先月東京で藤原正彦先生との懇親会に出席したが、藤原先生は「自民党民主党に政権を明け渡した選挙では、自民党議員のあまりのていたらくに、民主党に投票しました。そしたら、民主党自民党よりもっと程度の低い議員の集まりでした。」と話された。

同じ事を藤原正彦先生の著者「国家の品格」でも書かれている。

野党はこの当時とちっとも進歩していない。

その証拠にマスコミ各社の世論調査では、自民党の支持率も下がっているが、かといって野党の支持率も下がるか横ばいである。

昨夜は、現職の衆議院議員の皆さんから、野党が鈴木財務大臣不信任決議案を提出するので、その際また長い演説をやるようなので、徹夜になりそうだとのメールが届いていた。

さすがに立憲民主党も山井議員の長い演説で、野党からも批判が出た事で弱気になったのか、鈴木財務大臣に対する不信任決議案は、長い演説もなく、夜の11時半頃には散会したそうだ。

今日も休日を返上して、衆議院では予算委員会、本会議と続くようである。

本会議で予算案が可決されれば、参議院に送られ、3月末の予算案成立を目指して参議院予算委員会で審議が行われる。

ロシアのウクライナ全面侵攻から2年

2年前の2022年2月24日、ロシアによるウクライナ全面侵攻が始まった。

しかし、その8年前にロシアはウクライナクリミア半島に侵攻し、同時に東部のドンバス2州で戦争が始まっていた。

それ以来ウクライナとロシアの戦争は続いているので10年戦争です。

私は参議院議員になって以来、参議院外交防衛委員会の委員になり、1年後には外防委員会の理事になった。(21名の委員の中で理事は5名)

国会開会中は外交防衛委員会は週に二回開かれるので、理事になると外務省、防衛省の職員が頻繁に議員会館事務所に説明に来る。

私は彼らに対し、プーチンの思考はヒトラーに似ている。マスコミ報道で言われているロシア帝国の復活だけではない。それ以上の事をやると思う、と言い続けてきた。

ヒトラーは1939年9月、ポーランド侵攻によって第二次世界大戦を起こした。

しかし、その3年前の1936年3月、第一次世界大戦以来、初めはフランス領、のちに非武装地帯になったドイツとフランスとの国境にあるラインラントへ武力進駐した。

その理由はラインラントの住民は圧倒的にドイツ人が多く、ここはドイツ領土だという主張だった。

しかし、この当時ナチスドイツに対して圧倒的な軍事力を持っていたフランスもイギリスも全く動かなかった。

後にイギリス首相になるチャーチルは、この当時閣外にいたが、ヒトラーの武力進駐に対して軍事行動で排除すべきだと主張したが、時のスタンリー・ボールドウィン政権は全く動かないばかりではなく、イギリスもフランスも軍事費削減政策をとっていた。

これがヒトラーに対して誤ったメッセージを送ったと、戦後書いた「第二次世界大戦」という著書の中で述べている。

しかも同書によると、戦後押収したナチスドイツの機密文書によると、ナチスドイツの軍幹部は、ライララント進駐に全員反対したそうである。

ヒトラーが単独で反対論を押し切って成功した。

この成功によってヒトラーは3年後にポーランドに侵攻し、第二次世界大戦が始まった。

プーチンによるクリミア半島侵略の半年前、2013年9月、シリア内戦において武力行動を起こすかどうか問われた米国のオバマ大統領は、「アメリカは世界の警察官ではない」と発言し、シリアに対する武力攻撃は行わなかった。

この発言の半年後、ウクライナにおけるマイダン革命という事情もあるが、プーチンクリミア半島に武力侵攻し、ほとんど抵抗も受けずに成功した。

また、中国は南シナ海制海権を確保する為、岩礁を埋め立てて基地を作る動きを加速した。

プーチンは2000年に大統領に就任して以来、ドイツ、イタリア、ポーランドなどのNATO主要国に対して、天然ガス、石油などの供給体制を整備し、NATO諸国のエネルギー政策の急所を握る政策を進めた。

私は、これらのNATO諸国に対するプーチンの陰謀が成功した事により、彼は全面的なウクライナ侵攻を行ってもNATO諸国は動かないと判断したのではないかと考えている。

2年前のウクライナ全面侵攻が始まった時、私は1週間以内に首都キーウは落ちると思ったし、世界中の政治家もそう思ったようだ。

ところが、これだけロシア軍が弱いとは思っていなかった。

軍事力において圧倒的な差のあるロシア軍がこれだけ武力も兵士の士気も衰えていたとは。

民間軍事会社の経営者であるプリゴジンの反乱でも、軍部は静観したし、彼の私設軍隊と釈放されて組み込まれた犯罪者達は、ロシア正規軍より強かった。

しかし、このプーチンウクライナ侵攻で、私達日本人が肝に銘じておくべき事が二つあると思う。

一つは、プーチンに核攻撃をするぞと脅された米国のバイデン大統領は、この恫喝に怯んで何もできなかった。米国の核の傘があてになるのか。

国連の安全保障理事会が全く何の役にも立たなかったことは予想通り。

二つ目は、ロシア軍の攻撃は民間のアパートや民家を徹底的に破壊し尽くし、民間人の虐殺を平然と行う軍隊であるという事です。

1945年8月9日、多数の日本人が住んでいた旧満州地域に、日ソ中立条約を一方的に破って武力侵攻したソ連軍は、日本人に対して虐殺の限りを尽くし、60数万の日本人をシベリアなどに抑留した。

全く変わっていない。