黒井文太郎著「プーチンの正体」、宝島新書で2022年6月に出版された本を最近読んだ。
この本で黒井文太郎氏は、プーチンの思考と行動はヒトラーと同じと書かれていた。
私はウクライナ戦争が始まる以前から、参議院外交防衛委員会の理事であった私の議員会館事務所へ議案の説明にくる外務省官僚に対して、プーチンの思考と行動はヒトラーとよく似ているので、必ずウクライナとバルト三国(エストニア、ラトビア、リトアニア)へこれ以上の侵略をする可能性が高い、と話していた。
当時はロシアがウクライナのクリミア半島を侵略し、ウクライナの東部2州(ドネツク州、ルガンスク州)で戦闘が行われていた。
一方で、ドイツ、ポーランド、イタリアなどのNATO諸国は石油や天然ガスの輸入をロシアに依存していた。
プーチンはウクライナへ侵攻しても、NATO諸国はロシアに対する軍事行動を起こせないと考えている、と私は思っていた。
ウクライナ戦争が始まってから三年目になったが、戦線はいまだに膠着状態だ。
NATO諸国からウクライナへの支援が少なくなっており、この原因はウクライナの政治家にもある。
賄賂をもらうのを当然と考えているウクライナの政治家が私腹を肥やしているとの報道があり、ゼレンスキー大統領は何人かの閣僚を罷免した。
支援している各国は、支援物資がどの程度届いているのか疑心暗鬼になるのも無理もない。
しかし、もしこのままロシアが勝つと、プーチンは必ず次の侵略行動を起こすと思う。
それはヨーロッパの軍事バランスをこれまで以上に崩すことになり、それは避けるべきではないかと思う。
戦争が始まった当初は、ロシアとウクライナの軍事力を比較して、短期間でロシアの勝利に終わると思っていた。
ウクライナの抵抗力が予想以上であった背景は、イギリス、アメリカ、ポーランドなどNATO諸国の物資支援が大きい。
しかし、それ以上にロシア軍の兵士の士気の低さ、ロシア軍兵器のお粗末さが大きいと思う。
最近、半導体の資料や本を読み、近代兵器は、戦闘機、戦闘車両、軍艦、ミサイル、誘導爆弾など、半導体によって制御されている事がよく分かった。
半導体については別途書くが、ロシアは半導体生産がほとんど出来ず、アメリカ、台湾などの半導体生産国に頼っていたが、ウクライナ戦争勃発後は西側諸国から半導体を買う事が出来なくなった。
それが、ロシア軍の侵略がもたついている原因である事がよくわかった。
ウクライナ、イスラエル対イラン、ヨーロッパ、中東で第三次世界大戦に発展する可能性の高い戦争が続いている。この世界情勢の中で、日本がどうやって生き残る国家戦略をとるのか、国内政治問題よりも重要だと思う。