藤井聡「コンプライアンスが日本を潰す」を読んで

7月22日、藤井聡京都大学大学院教授の自民党高知県連での講演前にお会いした際に、藤井教授は福井照代議士にこの本を提示してこれが最近書いた本です、是非読んで下さいと言っていた本である。
この本の第2章に巨大産業の崩壊〜建設産業を潰す「コンプライアンス」〜ということが書かれている。簡単に言えば「談合のどこが悪い」という刺激的な内容である。
昭和22年、米軍の占領下でGHQの指導の下に独禁法が作られ、自民党政権下の1980年代から米国の「新自由主義」者による経済的な日本への反攻作戦が始まった。それが1990年海部内閣時代に締結された「日米構造協議」であり、小泉政権になってからは「年次改革要望書」が毎年米国から提出されて実施された。
年次改革要望書」についてはこのブログに以前書いたことがある。
藤井教授の見解とは異なるが、戦後日本は国防を米国に全面的に任せてきた、憲法9条の制約があるので仕方なかったとはいえその代償はあまりにも大きかったのではないかと私は考えている。
「日米構造協議」、「年次改革要望書」を通じて日の出の勢いのあった日本経済は急速に落ち込んだ。
バブルの崩壊という国内事情の大きな影響はあったが、米国の圧力によって、日本的な商慣習にもとづいた日本経済は壊滅的な打撃を受けた。
小泉改革がいかに地方を疲弊させたか、高知県はその最たるものである、この影響は大きすぎた。
藤井教授の「公共事業が日本を救う」、「列島強靭化論」(いずれも文春新書)、そしてこの「コンプライアンスが日本を潰す」(扶桑社新書)を読んで大変勇気づけられた、これまでの私の考え方は間違っていないと思った。
デフレを克服して日本経済を立て直すには賛否はあろうが、藤井教授の主張に真摯に耳を傾ける必要があると考えている。