高知の技研製作所の技術

7月24日午後1時から高知市RKCホールで開かれていた第7回 IPA圧入工学セミナーを聞きに行った。
高知市の技研製作所が毎年行っているセミナーで、講演1は尾崎知事による「高知県南海トラフ地震対策について」という講演があったが、私は午後から参加した。
技研製作所はインプラント工法という鋼板矢板や鋼管を堤防などに打ち込んで補強する工事で有名であり、また地下駐車場や地下駐輪場の製作でも有名である。
午後から行われた講演2は京都大学名誉教授の高山知司先生の「津波に対する粘り強い構造化に向けて、東日本大震災から学んだ教訓」だった。
現在東北地方や高知県などで行われている地震津波対策の工事例を紹介していた。
講演3は都市地下空間研究会の粕谷太郎主席研究員の「地下空間利用による防災対策と海外事例」という講演、こちらは技研製作所の地下駐車場などとの関係がある。
講演4は技研の工法推進課課長補佐・梶野太郎氏の「インプラント工法による防災対策」、この講演が私が最も興味ある講演であった。
堤防の海側と陸側に鋼板矢板又は鋼管を打ち込むことによって、地震の際に堤防の地盤を安定することができる。打ち込む深度は場所によって違うが、深いところでは30メートルも打ち込む。また、技研の北村社長の発明した無音杭打ち機(サイレント・パイラー)を使用するので騒音公害が出ないという優れものである。
現在、この工法による海岸堤防の補強工事が南国市から土佐市にかけての海岸堤防で、国土交通省高知県発注工事で採用されている。また、高知市の国分川などでも行われているし、東北の大船渡市、釜石市でも津波からの復旧工事で採用されている。
この工法を技研の北村精男社長が考えついたのは昭和45年の高知市の豪雨災害の後だという、その後紆余曲折を経て無音杭打ち機(サイレント・パイラー)を開発したが、日の目を見出したのはここ2~3年のことだ。
私が知ったのは8年ほど前だったと思う、議会の産経委員会の調査活動で初めて知った。その後この工法は国内ではなかなか採用されなかったが、東北大震災後一挙に注目され始めたようだ。
そのおかげで今年になって同社の株価はうなぎ登りに上昇を続けている。
また、同社は十数年前から英国ケンブリッジ大学と提携研究を行っており、この日の最後の講演5はケンブリッジ大学のスチュワート・ヘイグ氏と技研の新工法開発部実証化学課リーダー石原行博氏の「圧入技術に関する研究開発の最新情報」という講演であった。
私は次の仕事があり、最後まで聞けず残念であった。