自民党県議団で宮城県を視察

2月3日(月)午前7時55分高知空港発、伊丹空港経由の飛行機で仙台空港へ、午前10時40分仙台空港着。
11時30分松島のホテル松島大観荘着、ここは今回の視察の差配をしてくれた安部孝宮城県議の地元である。
ここは東日本大震災の直後、昨年夏の参議院選挙で参議院議員となった高野光二郎氏がボランティアとして復旧活動行った地域で、その際にお世話してくれたのが安部県議である。
私は昨年9月に総務委員会で視察に訪れた際に安部県議が夕食会に御夫妻で来てくれて懇談したのがおつき合いの始まりであった。
その際に、震災直後に県会議員として活動する際に必要な条例整備について、今度は自民党県議団で意見交換に行くという話があり、昨年10月に予定していたが、台風の襲来と重なって実現できずにいた。
今回の訪問は自民党県議団21名中17名と自民党高知県連の高橋事務局長も参加して総勢18名の参加、宮城県議団との勉強会・意見交換会には高知県の議会事務局から岡林課長、織田課長補佐も参加した。
松島町では安部県議、大橋健男町長、佐藤久一郎松島観光協会会長、磯田悠子宮城県女将さん会会長と昼食を取りながら意見交換会を行った。
磯田さんは昼食会場となったホテルの女将さんでもある。このホテルは高台にあり、松島湾が一望の元に見渡せる。
松島町は震災直後の町内での死者はなく(頂いた資料では町内で2名死亡となっていた)、津波も地上で最大で約1.3メートルと、比較的被害は少なかった。
航空自衛隊松島基地があるのは隣の東松島市であり、そちらは被害も大きかった。
町長の話では、普段の町の年間予算は約50億円、26年度の復興のための地方交付金事業の予算は200億円が予定されており、大変活気付いているとの話であった。
また、磯田さんのお話は、このホテルは高台にあったために津波被害は免れ、震災後、全国から応援に来た警察などの宿舎になった。連日数百名が泊り込み救助活動の拠点となった、その際の苦労話を聞かせて頂いた。

この後、一旦仙台市内のホテルへ戻り、午後4時から宮城県庁で安藤俊威宮城県議会議長、安部県議の所属する会派の県議団8名、宮城県総務部危機対策課の4名の職員と共に勉強会と意見交換会を行った。
危機対策課長の被害状況と救助、復興活動の説明の後、県議団の畠山和純県議から、発災直後に県議会として活動するに当たってどのような支障が生じ、その後、どんな対策を打ったかについての説明を受けた。
畠山県議は発災時の県議会議長、2年間議長を務め、私とは一年間全国議長会でご一緒した、また、高知県にも何度かお越し頂いて講演もしてもらった。
昨年も高知県黒潮町に数名の県議団で視察に来てくれた。
畠山県議の話では、震災当日、やっとの思いで地元の気仙沼市に帰り着いた。
気仙沼市は警察も消防も市庁舎も被害を受け、支所が一カ所だけ被害を受けていなかったので、市ではそこを対策本部にしていた。
先ほど危機対策課長の説明があったが、被災後数日後してからは災害対策本部も機能し始めたが、被災直後は通信手段が無く、状況がつかめなかった。
現地の状況を広域で把握しているのは(県庁職員よりも)我々県議だと思う、我々が情報収集をして県の災害対策本部に情報を入れることは重要である。
今回の地震津波では、家の屋根に避難していた方々が相当数いたが、通信手段が無い為に救助活動が出来ずに犠牲者が増えた。
また、自分は気仙沼市長と普段からの付き合いがあったので一緒に救助活動が出来たが、県議はいる場所がない。
3月11日は委員会の開催中であったから県議の活動資格があったが、もし県議会の閉会中であれば県議としての活動は法的裏付けがないために活動が限られてくる。
震災当日は地震のために議場が使えず、議会棟の庭で本会議を開催した。
執行部の救助活動を円滑にするために予算の専決処分を認める議決をし、その後の本会議では3億5千万円の専決処分を議決した。

震災後、県議会がどう活動し、県議各自がどう行動するかは詳細に行動基準を作成しておく必要がある。
この点は高知県議会でも検討中であり、宮城県議会で起こった様々な問題点を聞いたので、これを参考にして対策を作ろうと思う。
そして、必要なのはまずは県議各自の安否確認であり、宮城県議会では震災後、安否確認カードを作ったと安部県議が見せてくれた。クレジットカードの大きさで、カードには二次元バーコードが付いており、これを携帯電話にかざし、5段階に分かれた自分の状況を県議会事務局に連絡できるシステムになっている。
質問が多かったが、次の懇親会の場でも継続出来るので、この会は1時間40分で打ち切って懇親会場に移動した。
ここではさらに2名の県議と、四万十市中村出身で国土交通省職員で宮城県大崎市に出向している植田雅俊副市長が加わった。
植田副市長は尾崎高知県知事と土佐高校の同級生だそうだ。
ここでは、安部県議から私に対して、東北で被害の多かった岩手、宮城、福島の県議会、南海トラフ地震被災が想定されている9県の県議会に呼びかけて、被災した際に県議会ならびに県議会議員としてどう活動するかの基準作りのために一堂に介して意見交換をする機会を作りませんかとの提案があった。
私は即座に賛同した。
私が高知県議会議長の時に、尾崎高知県知事の呼びかけで静岡県から鹿児島県までの9県知事が結束して行動する組織を作ったが、それに呼応する形で私が9県の県議会議長に呼びかけて同様の組織を作って国に対して要望活動を行っている。
今度は県議会議員同士で意見交換をして、条例改正、場合によっては法改正も含めての対策を取ることも必要かと思う。
written by iHatenaSync