桜宮高校バスケ部主将イジメ自殺事件

自殺した男子生徒の両親が大阪市を相手取り約1億7400万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が東京地裁であり、裁判長は「体罰と自殺には因果関係が認められる」として、市に約7500万円の賠償を命じた。と報道された。
この事件以後、当時の下村博文文部科学大臣がいかなる理由があれ、体罰は全面的に禁止するとの通達だったかを出した。
私は今でもこの決定に全面的に賛成ではない。
体罰は時と場合によると思っている。
昨夜もテレビニュースで自殺前日の桜宮高校バスケ部の練習試合で、顧問が自殺した生徒を、試合そっちのけで殴っている映像が流れていた。
この殴り方は異常だ。練習試合会場のように不特定多数の人が見ている前でやることではない。
また、この顧問は生徒を殴っている内に、興奮して自分をコントロール出来なくなっている。
私は19歳でボクシングを始め、少林寺拳法、直接打撃制の空手道と格闘技の世界で30年間生きてきた。こういう人間がたまにいる。
教育者になってはいけないタイプの人間だ。
また、試合には桜宮高校の別の二人の教師も参加していたそうだが、誰も止めに入らないのも異常だ。この顧問は何度もこういう異常なことをやっていたのだろう。高校の体質自体に問題がある。
この顧問はバスケットボールの指導者としては大会優勝などの実績があり、評価の高い指導者だったそうだが、その評価自体が間違っていると思う。
私は、16年ほど前に、当時中学生であった娘のバスケットボールの県大会の会場で、ある中学校のバスケ部の指導者である教師が、ミスをした女子生徒を試合場の側でしつこく怒鳴りつけている姿を見たことがある。
その教師も試合はそっちのけで女子生徒を怒鳴り続け、女子生徒は肩を震わせて泣いていた。
それを見ていた試合場にいた保護者が、「あの先生は熱心やき」と、誰に言うともなく教師をかばっていた。この中学校もバスケ部は強かった。その保護者を見て唖然とした。
私は娘の試合ではなかったので、驚きながらも黙って見ていた。
私の娘の学校の教師であれば、公衆の面前でこの教師をぶん殴っていたと思う。
そして、後日県議会の常任委員会でこの出来事を取り上げて発言し、教育委員会に、中学校レベルで大会に勝つことを最優先することは間違っているのでないかと質した。
私の空手道場は小学生や中学生が中心であった。大声で叱ることや、お尻を叩く指導はした。
しかし、顔や頭は叩いたことはない。これは私の空手道の師匠である佐藤勝昭師範の教えだ。子供にも人間としてのプライドがある。顔や頭を叩かれるとそのプライドを傷つける。
やってはならない事だ
但し、実際に当てる組手の稽古では別だが。
この当時の大阪市長橋下徹さん、記者会見の様子がインターネット上のユーチューブに残っている。
大阪市教育委員会とのやりとりだ。
橋下市長は桜宮高校の運動部の教師を全員交替させる事を主張しており、出来なければ、予算執行権者として、残った教師の人件費は執行しないと断言した。
また、この顧問の体罰を止める事の出来なかった桜宮高校の体質についても校長始め教師を批判していた。
さらに、大阪市立高校の限界についても踏み込み、いくつかの高校を大阪府立に移管する話もしていた。
この橋下市長の判断に、当時賛否両論があった事を覚えているが、私は橋下市長の判断を支持する。
これだけの判断を下せる政治家はそうはいないと思う。
私は橋下氏の政治手法については、あちこちに故意に喧嘩を吹っかけるやり方は賛同できない。
しかし、桜宮高校のバスケ部イジメ自殺事件で橋下市長の行った素早い判断力に、改めて氏の非凡な政治家としての能力を再認識しました。