今年も集中豪雨災害

今朝(7月15日)の報道では、九州北部を中心に9名の死者を出している。浸水、土砂崩れによる財産被害はどれだけになるのか。

犠牲になられた方々にお悔やみ申し上げ、同時に被災された皆さまにお見舞いを申し上げます。

毎年、九州北部から中国地方にかけて豪雨災害がおこり、多くの犠牲者が出ている。

その原因は、ここ20年近く、日本の太平洋側を中心にして6月から9月まで、海水表面温度が29度以上が続いており、こういう温度では線状降水帯が発生しやすく、台風も日本に近づくと急激に発達し災害が起きやすい。

この対策のために、自民党政府は平成30年(2018年)から、国土強靭化3ヵ年対策事業が 3年間で7兆円の予算が付き、河川整備等が進められた。

この事前防災事業の効果は絶大で、この事業を延長する意見が、自民党政調会で多く出ていた。

そこで私は、参議院予算委員会で当時の武田防災担当大臣、麻生財務大臣に、この国土強靭化対策事業を継続すべきではないかと質問し、両大臣から前向きな答弁をいただいた。

委員会で取り上げたのは初めての事だった。

これが、次の5カ年対策事業の実現に繋がったと考えている。

麻生太郎財務大臣は、答弁書を見ないで「やらざるをえんでしょう」と答えてくれたが、おそらく答弁書には前向きな答弁は書かれていなかったのではないかと推測している。

なぜなら、私がこの質問の準備をしている最中、財務官僚から「災害が毎年起きるという人がいるが、どこにその根拠があるのか」と言っているとの情報が私の元に届いていたからだ。

財務官僚は公共事業費を削減する事ばかり考えているのだ。

だから、私は気象庁の発表している日本の太平洋側の海水表面温度の状況から説き起こし、河川整備の方法について提案した。

河川のうち氾濫しやすい箇所は、川の流れが急激にカーブしている所、そして急速に川幅が狭まっている所、土砂が堆積して川床が上がっている所、こういうところを中心に堤防強化や河床掘削などの整備をしていけば、災害を防ぐ可能性が高くなる。

日本の土木技術は大変高く、一度被害を受けた箇所は、その後何年かは災害が起こらない。

但し、土砂崩れは別だ。土砂崩れの起きやすい地域にもすでに住宅が建っている。住民に移転した方が良いと言っても、なかなか実現は難しい。

私は高知県議時代に高知県でそれを体験した。

県下全域で、土砂崩れ災害が起きやすい場所を公表するかどうか検討している時の事であった。

すでに住宅が建っている場所がいくつもあった。

いきなりこれを公表するとパニックが起こるのではないかと心配した。

結果的に公表したが、心配していたほどの混乱は起きなかった。

今回の土砂崩れ災害でも、土砂崩れ災害危険地帯である事を認識しながらも、住み続けざるをえなかった、との住民の発言を聞いた。

やむを得ない事だろう。

しかし、河川の氾濫は、先に書いた河川整備が進むとかなり防ぐ事が出来る。

政府は、現在実施中の5ヵ年計画の後は、国土強靭化基本法の改正で取り組む事を6月の国会で決めた。

早急な予算実現に期待する。