高知県防衛議員連盟で第14旅団を視察

18日(金)午前9時10分、貸切バスで出発、午前10時40分善通寺市陸上自衛隊第14旅団の駐屯地に着いた。
昨年設立した高知県防衛議員連盟(会長は桑名龍吾県議)の初の現地視察で、県下各地の市町村議員さんも含めて22名が参加した。駐屯地では岸川旅団長が出迎えてくれ、司令部の三階で岸川旅団長の講演を受けた。
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内容は日本を取り巻く軍事情勢の現状、昨年発表になった新防衛計画の大綱と中期防衛計画の説明、そして、自衛隊南海トラフ地震が発災した際の災害派遣活動の概要、自衛隊の国際貢献活動の紹介、また、第14旅団は今月15日から半年間、国際緊急支援活動と在外邦人救出活動の待機部隊になったとのことで、それらがどういう活動を行うものかなどについて1時間20分にわたって講義して頂いた。質疑応答も15分ほどあった。
海外で変事があれば、待機部隊は即救援に駆けつける体制を整えていなければならず、岸川旅団長は毎日の海外ニュースに注目しているそうだ。
特に南海地震の対応策で、不足する分野を再検討中との話は大変興味深かった。
講義終了後、司令部前で記念撮影、幹部食堂で昼食会が行われた。
私は岸川旅団長の隣席となったので、講義の際にあった、第14旅団の機動旅団かへの再編成の内容、水陸機動師団の3個連隊の配置場所などについて質問した。
従来の戦車部隊は本土からは撤退し、74式戦車に搭載していた105ミリ戦車砲を搭載した8輪の機動戦闘車に代わるそうである。(下の写真)
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機動旅団はこの機動戦闘車がメインの戦闘車両となる、また、通信システムも大幅に代わるそうである。
食事後は、運動場で行われている訓練を見学、初めに見たのは今年4月に入隊したばかりの新兵が120ミリ迫撃砲、81ミリ迫撃砲の訓練を受けている所だ。
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高知県出身者が3名おり、特別に呼ばれて自己紹介をした、入隊動機は2名が南海トラフ地震に備えて、1名が国を守るためと答えた、わずか3ヶ月で動作はキビキビし、口調もハッキリとしており、大したものだ。
迫撃砲曲射砲なので、砲弾の飛距離はそれほどないかと思ったら、120ミリ迫撃砲高知県庁から撃つと桂浜までが射程距離に入ると説明されて意外であった。
次は高さ20メートルの訓練棟からのロープ降下、ヘリからのロープ降下を想定しているという。
かなりの高さだ。(写真は隊員2名が降下中だが、背景が暗くて分かりにくい)
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最後に、89式ライフル銃から25ミリ機関砲を搭載した87式偵察警戒車、82式指揮通信車など、幾つかの装備品の展示説明をを受けて終了し、15時駐屯地を後にした。
高知に帰り懇親会、岸川旅団長も、同行して頂いた高知地方協力本部の佐藤本部長(本日、滋賀県の混成団に転勤が発表になった)も同じことをおっしゃっていたが、人員が足りないそうだ。
新防衛計画大綱は陸上自衛隊員の定員を15万1千人プラス予備自衛官8千人と発表し、増員とマスコミ報道されたが、それは正確ではなく、以前の大綱で14万7千人へと減員する計画があり、その目標値に減員できず、現在たまたま15万1千人いてそれが了承されただけの話だと言っておられた。
機動旅団への編成、水陸機動旅団の創設と言っても現員で動かすだけだから、予算を増やして、隊員の増加を計らなければ十分な防衛体制は構築出来ないということだ。
良い研修会であった、今後も続けて行く予定だそうだ。