韓国のインスタントラーメン

今朝の(20日)産経新聞黒田勝弘「から(韓)くに便り」に韓国でインスタントラーメンの草分けだった「三養食品」の創業者、全仲潤名誉会長が94歳で亡くなった記事が出ている。
その記事によると、全氏は1959年に日本で食べたインスタントラーメンの味が忘れらず、まだ貧しく食糧難だった韓国の国民に、「何とかあれを食べさせられないものか」と一念発起し、導入を決意したそうだ。
国交正常化前の1963年に、この志に共感し協力したのが「明星食品」の当時の奥井清澄社長だった。
技術提供は無償、全氏は明星食品の工場に10日間、通い詰めて製造技術を学び、最大の難関だった原料配合表(レシピ)も提供された。帰国後、明星食品から技術者が1ヶ月間派遣された。製造機械の半額提供以外はみんな無料でだった、と書いてある。
これが世界で最大のインスタントラーメン生産国は中国だが、1人当たりの消費量は世界一の韓国のインスタントラーメンの始めである。
ところが、韓国の新聞記事は「庶民の飢えを解決した"ラーミョンのゴットファーザー"」(東亜日報)などと大きく報道したが、肝心の明星食品との"美談"に触れたものはなかった、と書いてある。
この記事を読んで思った、1963年というと私は小学校6年生、この頃に初めて友人の家で明星食品のインスタントラーメンを食べた記憶がある。私の育った宿毛の小さな漁村はまだ貧しく、普段食べられる食料ではなかった。
その時代に明星食品の奥井社長は、この製造技術を無償で全社長に教えたというのであるから、この人は侍である。
東南アジアを旅すると中国製や韓国製のインスタントラーメンを売っている。中国製は買う気もないが、韓国製は食べたことがあるが、日本製よりだいぶ品質が劣る。
先週立ち寄った香港国際空港の食堂で、朝飯に現地の人がラーメン(日式ラーメンと呼ぶ)を食べていたので我々も食べた。
現地人ガイドの話では、香港で大変人気のあるこのラーメンは明星チャルメラのインスタントラーメンで、麺が中国製と全く違って美味いとのことであった。中国が世界最大のインスタントラーメン生産国ということは初めて知ったが、品質は真似できないようだ。
ただ、日本人にとっては普通のインスタントラーメンであった。
話を全氏に戻すと、「全氏は戦時中ソウルで逓信省の仕事をしていたが、心優しい日本人の思い出を語ってくれたという。また、日韓併合など過去の歴史については『不幸の始まりだったが、ロシアや中国の支配下に入らなかったことは不幸中の幸いだった』というのが持論だったという。」と書いてある。
あの当時、朝鮮は自主独立が出来なかった。
日本は朝鮮でインフラ整備と教育に力を注ぎ、1945年以後、東西冷戦で米国の保護下になったことが幸いしたのだが、北隣の国を見れば「幸い」が分かる。
黒田氏はこのコラムを、最近ソウルのロッテホテルであった「自衛隊創設記念日レセプション」への会場提供拒否にも触れ、「このところ『韓国の一つの終わり』を感じさせられることが多い。」と結んでいる。
私は、ヒステリックな日本批判を繰り返すこの国と日本が積極的に友好を行う必要はないと思う。