デフレ克服、上念司講演会

14日(金)午前10時から自民党高知県連の3階会議室で経済評論家上念司先生の講演会が開催された。
主催者は浜口卓也高知市議、自民党の青年局幹事長であり彼の知合いが倉山満国士舘大学講師で今回は第二回倉山学校として倉山先生の友人である上念先生をお招きしたとの説明があった。
上念司先生は「売国経済論の正体」で政府のデフレ対策をするどく批判を展開するとともに国会にも参考人として呼ばれて自説を展開し、最近では民主党の勉強会にも招かれて自説を述べてきたばかりだという事であった。
詳しくは昨年11月30 日に徳間書店から発刊された「売国経済論の正体」を読んでいただくのが一番であるが、講演の要旨は次の事に尽きる。
「(日本の)特にいまのようなデフレ状況では、国内の通貨発行量が不足し円高が発生しているため、日銀が通貨発行量を増やして国債を買い取れば、デフレが解消し円安になります。そうなれば日本経済が大復活して税収も増えるので、いずれにせよ債務問題は収束してしまうのです。」(同書103頁)
講演では物価と価格の違いから始まり、リーマンショック以後米国では紙幣を3倍増刷、英国では4.5倍増刷した、それに比べて日本はほとんど増刷していないに等しい。
米国も英国も増刷してもインフレにはなっていない、日本では今年になって日銀が1兆円規模の増刷を表明した途端に円は85円近くまで跳ね上がった、しかし、日銀はすぐに金融緩和策をやめたのでデフレが続いている。
講演では「流動性の罠」や「マンデル・フレミング効果」、「公債のドーマー条件」など専門用語の解説があり難解な部分もあったと思うが、40名ほどの参加者は熱心に聴き入っていた。
そして、戦前の国内経済の分析などを含めて90分間熱弁をふるい、その後の質疑応答も30分をオーバーしそうになったので昼休みの休憩をとった。
私は午後の飛行機で上京する予定があったので午後は欠席したが、引き続いての質疑応答と倉山先生の講演も予定されていた。
上念先生と倉山先生は中央大学の辞達学会(弁論部)の同窓で上念先生が先輩にあたるということだ、大学では私の後輩になるので講演前に15分間ほど話をさせて頂いた。
8月には上念先生の新しい本が出版されるというので楽しみにしている。