中国の南シナ海征圧完了

今朝の産経新聞一面に、中国人民解放軍の孫建国・副総参謀長が、31日シンガポールアジア安全保障会議シャングリラ対話)で講演し、南シナ海での人工島建設について「軍事、防衛上の必要なニーズを満たすためだ」と述べ、軍事目的が含まれていると初めて明言したとの記事が載っている。
場所はベトナムとフィリピンとの間の南沙諸島(スプラトリー諸島)で、中国はここにある5つの岩礁を埋め立てている事は米国の偵察で分かっていた。
米国はカーター米国防長官が人工島建設に強い懸念を表明していたが、米国の弱腰を見越して今回中国が反応したものである。
1988年3月南沙諸島赤瓜礁において、中国軍ベトナム軍とが海戦を行い、ベトナム軍の輸送船2隻が撃沈され、戦車揚陸艦1隻が大破、ベトナム軍に70名以上の戦死者を出したと報道されている。
また、その前の1974年1月、ベトナム戦争が終わる1年前には、米国が動けない事を見越して、西沙諸島中国軍ベトナム軍の護衛艦を攻撃撃沈し、ここでも実効支配を進めた。
この地域での中国軍の侵略行動は今に始まったものではなく、その目的は初めは海底資源であったが、今回南シナ海の軍事的支配であることを公言したものである。
アメリカは軍事攻撃をしてまで人工島建設を阻止するメリットがあるとも思えないが、日本にとっては中東から原油を運ぶシーレーンの大事な場所である。中国がタンカーの航行を妨害する行動に出れば東回りの航路を取らざるを得ず、輸送費用が上がるであろう。
日本政府は何もできないし、するつもりもなかろう。歴史を眺むればナチス・ドイツのヨーロッパ侵攻に非常によく似ている。