未来の戦争

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最近、写真の「フューチャー・ウォー」(未来の戦争)を読んだ。

著者は元米空軍の技術将校であったロバート・H・ラティフ少将です。2018年に出版されている。

コロナ感染が問題になる前であるが、コロナパンデミックを予見したかのような記事があったので、転載します。

「敵方が、ワクチン及び抗ウィルス薬が効かないウィルスを拡散させるといったやり方で攻撃してくる事態も想定しておかなければならない。このケースでは、広く報道されたオーストラリア人科学者たちの例が参考になる。彼らは実験用マウスのための抗ウィルス薬を作ろうとして、ネズミの天然痘(鼠痘)にちょっと手を加えた。研究目的は、マウスの天敵とも言えるこの病気の根絶にあったのだが、実験は失敗し、望んだような抗体はできなかった。というか、あに図らんや、極めて致死性の高い鼠痘ウィルスができてしまったのである。こいつに罹ると、すでにワクチンを投与されたマウスまで死んでしまうのだ。幸いなことに実験は外部と隔絶した研究所内で行われていたので、問題がそれ以上広がる事はなかったけれど。これと似たような研究を、人間の病気に対してやる場合は、用心にも用心を重ねる必要があろう。」

このオーストラリア人科学者の行動は初めて知った。コロナウィルスの拡散に想像が及ぶ話だ。

また、現在の兵士はハイテク装備と兵器を使用している。例えば、スマートフォンなども位置情報確認や距離測定などに使用されている。

しかし、ハイテク装備、兵器は電源が無くなったり、故障すれば使えない。

この点について、トランプ政権の国防長官であったマティス氏の次の言葉を紹介している。

「ハイテク兵器への依存に対する警告(ジェームズ・マティス元国防長官)

高性能のハイテク兵器や通信システムは、魅力的だが脆いとしばしば言っている。戦争とは修羅場であり、思いがけないことが起こり、しかも人がそれを演じ、そしてハイテク・システムは不具合に陥るものなのだと将軍閣下は警鐘を鳴らす。軍の指揮官たるもの、上から下までそういう不具合への心の準備が必要だというのがマティス将軍の結論だった。つい最近のこと、米海軍兵学校はここ10年で初めて、航海時の天文航法にもちいる古典的な六分儀の使用法を士官候補生たちの必須科目に戻した。今のパイロットたちはGPS装置の助けがなくても、所定の場所に爆弾を投下できるだろうか。兵隊たちは今でも地図をきちんと読めるだろうか。マティス将軍は指摘する。システムは戦闘中、不具合を起こすものであり、兵士や水兵、航空兵は柔軟に対処し、そんなものがなくても生き残り、かつまた任務を全うする独創的な手法を自ら考案できなければならないと。」

これは未来の戦争に対する警告であり、自衛隊もハイテク、ローテク両方に対する備えが必要でしょう。

この他にも、大東亜戦争における、東京無差別空襲、原爆投下などに関する否定的な感想が、元米空軍少将から語られており、是非ご一読をお薦めします。