宿毛市で防衛セミナー開催

22日(土)午後4時から宿毛商工会議所の主催で、宿毛市内のホテルで元海上幕僚長・藤田幸生氏を招いて防衛セミナーが開催された。

藤田氏は物部村大栃の出身で、高知高校から防衛大学に進み9期生である。
講演は自身の物部村での生い立ちから防衛大学へ進み、卒業後は海上自衛隊のヘリのパイロットとなる難関も突破してきた話や、ヘリのパイロットとなり数多くの危険な任務をこなす中で、三度の命拾いをした時の咄嗟の判断力は、ヘリに搭載してあるマニュアル本ではなく、自分の頭の中に入れて置かなければ役に立たないとの話があった。
その後、海上幕僚監部勤務となり、統合幕僚長副官として東芝事件処理や北朝鮮のミサイル発射、不審船、秘密漏洩事件、舞鶴港内での護衛艦の機関砲不時発射などの対処をしてきた苦労話。
そして、自衛官として海外出張などで世界を見て学んだことの話、さらに、わが国の現状と置かれた位置づけ、中国、北朝鮮そしてアメリカとの軍事的対応など幅広い話があった。
そして最後に、この宿毛市の戦略的価値、防衛計画大綱における島嶼防衛における宿毛市の役目などについて具体的な話があった。
その中で重要と思われる点が2つあったと私は思った。
1つは戦前から呉市を海軍基地として開設する時に、この宿毛湾が候補の1つになったそうだ。
それ以来この宿毛湾は戦略的に大変重要な位置にあると言う話である。
そして、2つ目は防衛計画大綱における島嶼防衛の後方根拠地としての役目である。
部隊が島嶼防衛のための行動に出る際には、陸海空の部隊が突然現地で集合する事は無い。必ずどこかで意思の疎通を図り、簡単な訓練をした上で島嶼防衛のために出動する、その拠点として宿毛が最適地であると言う話があった。
私は1月に元護衛艦隊司令官・金田秀昭氏にお会いした時に同じ話を聞いていたが、講演参加者にとっては初めての話で、具体的に宿毛がどう活用されるかのイメージが作られたと思う。
話は変わるが、数日前、現役の陸上自衛官で2佐の方とお話しした時に、私が、自衛隊が20数年前から海外派遣されているが、中東においても1度も事故がないというのはすごい事だと話をした。
中東への派遣経験があるこの方は「私は事故がなかったのは、旧軍の人達に助けられていると思っている。つまり、大東亜戦争において日本軍がアメリカやイギリスをはじめ世界を相手に勇敢に戦った、自衛隊員はその日本軍人の子孫であるということで、現地の人から尊敬されているという印象が強かった。現地の人が、上から目線で現地人に接するアメリカ軍に対して対応するのと、我々日本人に対する対応が違っていた。」という話をされた。
私は、何度か中東へ派遣された自衛官と話す機会があったが、この話は初めて聞き大変印象強く残った。
written by iHatenaSync