防衛費等の増額財源について

来年度予算編成についての指針となる「骨太方針2022」に、防衛費の増額や国土強靭化予算の増額などを盛り込む事が出来た。

この財源について、我々は国債発行で賄う事を前提にしている。

しかし、財務省は相変わらず国債発行の増額は認めない方針のようで、どこかの予算を削る、増税などの考え方を国会議員に吹き込んでいる。

この考え方は間違っている。今増税などをすべき時ではない、また、どこかの予算を削るべきでもない。

今我が国にとって必要なのは、財政出動を強化してデフレから脱却する事だ。

デフレから脱却して名目成長率が上がると、必ず税収は増えるからである。

6月15に開催された「第8回責任ある積極財政を推進する議員連盟」の勉強会において、元財務官僚で安倍内閣内閣官房参与であった本田悦朗先生が大変有意義な発言をされた。

「防衛費などの増額の為の予算は、世界では我が国だけが行っている、国債の60年償還ルールを止めて、この為に積んである減債基金が年に15〜16兆円あるはずだから、これを使えばよい。」との趣旨でした。

この発言の裏付けとなる資料を見つけましたのでお知らせします。

これは財務総合政策研究所の資料からの抜粋です。

元は以下のURLをご覧下さい。

https://www.mof.go.jp/pri/publication/research_paper_staff_report/staff18.pdf

 

「日本政府が国債を発行した場合、建設国債特例国債については、現在、60 年償還ルールと呼ばれる償還ルールに基づき、償還がなされています。政府はこの償還を担保するための減債基金として国債整理基金特別会計を有しています。

本稿では国債整理基金特別会計と借換債に焦点を 当て、できるだけ具体例を挙げて 60 年償還ルールや借換債について説明するとともに、制度の歴史的な経緯などの解説を行います。」

「減債基金創設の経緯と建設国債への 60 年償還ルールの適用

戦後、第二次世界大戦時の反省から国債の発行がなされない期間が続きましたが、東京オリンピック後の不況に伴い、1965 年度に 7 年国債(特例国債)が発行されました。その国債には 60 年 償還ルールは適用されていませんでした。しかし、1966 年度以降、建設国債の発行が始まった際 に、建設国債によって形成される見合いの資産の平均的な効果発揮期間を 60 年と解釈したうえ で、建設国債については 60 年間かけて徐々に償還する 60 年償還ルールが適用されました。

現在では 60 年償還ルールに基づく返済が当然視されていますが、実は、戦後国債の発行が再開 される中、そもそも減債基金を創設すべきかどうかについて検討がなされました。歴史的には国債整理基金特別会計は、日露戦争による国債の累積に対応するために創設されました。しかし、 諸外国は過去に減債制度を作った経緯はあるものの、わが国において第二次世界大戦国債の発行が再開された1966年度においては、それらの制度はすべて廃止されたか実質的無実化していた ことから、必ずしも減債基金が必要ではないという議論にも一定の説得力がありました。」

 

令和3年度予算では、国債の償還に充てる債務償還費として15兆2330億円が計上されています。