中国の落日

マスコミ報道によると、中国の 李尚福(リーシャンフー) 国務委員兼国防相(65歳)の公式動静が2週間以上にわたって途絶え、英国のフィナンシャル・タイムズ(電子版)は14日、複数の米国政府関係者の話として「李氏が国防相を解任され、調査を受けている」と報じた。

また中国国防省のサイトでは、李氏は8月29日に北京の「中国アフリカ平和安全フォーラム」で演説したのを最後に活動記録が更新されていない。ロイター通信は14日、ベトナム政府関係者の話として、李氏が「健康問題」を理由に今月予定されていたベトナム軍高官との会議を取りやめたと報じた。

中国政府高官を巡っては、前中国外相の 秦剛(チンガン)氏の公式動静が長期にわたって途絶え、7月に解任が発表されたばかりである。

大臣が突然消息不明になり、それについて政府は一切説明しない。

これで先進国とは言えないだろう。

李国防相の失脚については、8月に「中国ロケット軍異例人事 汚職報道の司令官ら交代(産経新聞8/2)『中国人民解放軍の機関紙解放軍報はロケット軍の司令官に、新たに王厚斌が、政治委員に徐西盛氏が就いたことを伝えた』」

さらに、香港英字紙、サウスチャイナ・モーニング・ポストは、前司令官の李玉超ら3人が汚職で調査対象となっているとする軍関係者の情報を伝えている。

香港紙は、ロケット軍の副司令官だった呉国華氏が7月4日に亡くなったのは自殺だったと伝えた。

[産経新聞] ロケット軍の司令官だった李玉超氏ら3人が、汚職を取り締まる軍の規律検査委員会の調査を受けていると報じた。他の2人は劉光斌・副司令官と張振中・元副司令官。

との報道があった。

新任の司令官は前海軍副司令官、政治委員の徐西盛は南部戦区の前副司令官で、2人ともロケット部隊の経験の全くない軍人である。

当然のことではあるが、解任された司令官なども習近平が任命した人事である。

今回の報道は、習近平がロケット部隊を全く信用していないことの表れだ、粛清が広がるであろう。

ロケット軍とはミサイル部隊であり、米国のシンクタンク戦略国際問題研究所(CSIS)の台湾侵攻シミュレーションでは、真っ先に台湾と日本に対するミサイル攻撃から始まり、両国は大被害を受ける。

ミサイル部隊のトップ級が混乱しているのであれば台湾侵攻どころの話ではなくなる。

中国の政治家の汚職は今に始まった事ではない。

日本の明治時代以降の近現代においては、沢山の本に書かれているし、これこそ中国四千年?の歴史であろう。

また、不動産業界の最大手である恒大集団と碧桂園、中国最大級の投資ファンドである中植企業集団の破綻問題については、このブログでも7月25日と30日に書いた。

中国経済は急速に悪化している。

さらに数日前にはイタリアが中国の進める「一帯一路」から離脱するとの報道が流れ、イタリア政府も中国政府もこれに対する否定報道がないので、おそらく本当なのだろう。

そもそも、この中国の「一帯一路」構想には当初から無理があった。

嘘をつくのが普通である中国が、世界で主導権を握るのはどだい無理な話しだ。

にもかかわらず、馬鹿な日本のマスコミや経済界の一部からは「日本も加わるべきだ」との論調が目立った。

当時、明確に否定したのは麻生太郎財務大臣であった。

石平さんのYouTube「中国週刊ニュース解説」よると、バカな習近平のおかげで中国が疲弊する事は世界にとっては良い事だ、との話を聞いたばかりである。