報道によると、
【米海軍のマイケル・ギルディ作戦部長は10月19日、中国による台湾侵攻が2023年までに起きる可能性を排除できないとの見方を示した。
脅威に対して常に対処する態勢を整えていると強調するための発言だとみられるが、台湾侵攻に対する米国の根強い懸念を浮き彫りにした。
ギルディ氏は米シンクタンクのイベントで「この20年間を振り返ると、中国はやると言ったあらゆる目標を想定より早く達成した」と指摘。侵攻が起こる時期について「22年あるいは23年かもしれない。それは排除できない」と語った。】
また、【ブリンケン米国務長官は10月17日、西部カリフォルニア州のイベントで「中国は以前に比べてかなり早い時間軸で再統一を目指すと決意した」と言及した。】
との報道も流れた。
さらに、YouTubeの【石平の中国週間ニュース解説・10月29日号】で、石平氏は中国共産党大会の人事に注目し、
【中国共産党大会で注目すべき人事が二つある。
一つは、今年72歳になる張又俠(チョウユウキョウ)が政治局員として留任した。
一方で、同じ72歳の許其亮(キョキリョウ)は退任した。二人の違いは実戦経験があるかどうかだ。
張氏は1979年のベトナム侵攻戦争を戦った経験があるが、許氏は空軍で実戦経験がない。
張氏は実質的に軍人のトップになった。
その二は、軍人の何衛東氏が二段跳びの大抜擢で政治局委員に昇進した。何氏は2019年から今年9月まで、解放軍東部戦区司令官を務めたが、東部戦区は台湾海峡に臨む浙江省・福建省などを含んでおり、中国軍の対台湾最前線である。
さらに、新しい政治局に遼寧省共産党書記の張国清氏と浙江省党書記の袁家軍氏が抜擢された人事だ。
この2人は軍事産業のことがよく分かる。
この二人の政治局委員昇進は、習主席による戦時体制作りの一環。2名は近いうちに中央に抜擢されて要職につく。】
と解説した。
米国は今回の共産党大会の前までは、6年以内に中国の台湾侵攻が予想されると言っていたが。
米海軍のマイケル・ギルディ作戦部長の発言も
ブリンケン米国防長官の発言も、石平さんの解説を裏付けるものではなかろうか。
そしてもう一つ、中国はウクライナ戦争で核戦争の脅しが米国に対して大きな威力があることを学んだ。
米国に対して核戦争の脅しを行えば、中国が台湾へ侵攻しても、中国本土への米軍からのミサイル攻撃等はないと踏んでいるのではないだろうか。
中国軍は陸海空とも通常兵力の戦いでは米軍に対しては劣勢だが、ミサイル攻撃であればミサイルは十分に準備していると思われる。
しかし対ミサイル防衛能力がどの程度か分からない。
ウクライナ戦争を検証してみれば、中国本土に対する米軍によるミサイル攻撃がないと見ているのではなかろうか。
そうであれば、近いうちに台湾侵攻を行う可能性は高くなる。
ただし、ロシアとウクライナとの関係と、中国と台湾の関係とは大いに違う。
そこを習近平がどう判断するかだが。