IPU(列国議会同盟)会議その1

IPU(列国議会同盟)会議は参加国が178ヶ国・地域である。米国は途中で退会している。

今回は第144回、大会は1889年(明治22年)6月に9ヶ国参加のもとパリで開催されたそうだ。

日本は1908年(明治41年)加盟、第二次世界大戦中はIPU会議そのものが中断したが、1947年再開、日本は1952年(昭和27年)に復帰したそうです。

会議は毎年開催されており、一回は事務局があるスイスのジュネーブで開催されることが多く、もう一回は各国の持ち回りで、今回は3月20日から24日までインドネシアのバリ島デンパサール市のヌサ・ドゥア地区で開かれた。

f:id:nakanishi-satoshi:20220324092040j:image

(左より鉢呂吉雄参議院議員(立民)、私、田中和徳団長、近藤昭一衆議院議員(立民))
f:id:nakanishi-satoshi:20220324092037j:image

(会場内のホテルで記念撮影、上は参加国の国旗の前で、下は会場外で)

今回の議題は地球温暖化対策であったが、ロシアのウクライナ侵略により急遽議題が追加された。

21日の課題は、ロシアによるウクライナ侵略に対する非難決議を追加議題に載せるかどうかの採決だ。

当初は、ロシアに対する非難文言の穏やかなインドネシア案と、ロシアを国連の専門機関のメンバーから排除せよとの強行な文言の入ったウクライナ案があった。

これに対して、数ヶ国から、もっと各国が賛成しやすい案を作ろうという動きがあり、代表としてニュージーランド案が提出された。

投票数は参加国の人口により、割り当てられ、日本は20票もっており、一番多いのは中国で23票である。

投票結果は、ニュージーランド案が賛成588票で採択された。

日本も田中団長以下4人で話し合って20票をニュージーランド案に投票した。

f:id:nakanishi-satoshi:20220324122735j:image

上の写真は田中和徳団長との記念撮影です。

なお、インドネシア案の賛成も376票あり、これは私にとっては意外だった。

インドネシアは、ロシアにも、NATO諸国の押すウクライナにも偏らないという意識が強いのと、宗教の問題で、イスラム教を支持する国々がインドネシア案に賛成に回った。

日本にいては分からない国際関係だ。

f:id:nakanishi-satoshi:20220324092931j:image
f:id:nakanishi-satoshi:20220324092927j:image

上の2枚は本会議場の全景です。

 

明日からインドネシア出張に行ってきます。

19日(土)午前10時20分発の飛行機で、インドネシア、バリ島で行われる第144回IPU(列国議会同盟)会議へ出席するため行ってきます。

メンバーは衆議院自民党から田中和徳議員(9期)、立憲民主党近藤昭一衆院議員(9期)、参議院立憲民主党鉢呂吉雄参院議員(1期、衆議院7期)と私の計4名です。

25日に帰国予定です。来週は予算案の議決や、ウクライナのゼレンスキー大統領の日本の国会での演説などがある予定ですが、帰国までブログは休みます。

公式派遣です。私は自分で希望したわけではありませんが、先輩議員から私を指名して頂いたので、喜んで引き受けました。

会議では地球温暖化対策などが議題になってます。

帰国したら報告します。

積極財政を推進する議連の第3回勉強会

17日(木)午前10時から、衆議院第一議員会館大会議室で「責任ある積極財政を推進する議員連盟」の第3回勉強会が開かれました。

議連の会員数は81名となりました。

今回は元内閣官房参与の本多悦朗先生に設立総会に続いて再登板していただき、「アベノミクスは日本を救う」と題して詳しく講演をいただきました。

f:id:nakanishi-satoshi:20220317122351j:image

f:id:nakanishi-satoshi:20220317122358j:image

デフレ脱却の為には、民間企業の設備投資、賃上げなどの投資を促さなければならない。その動きが遅いならば政府が財政出動をしなければならない。

本田先生は具体的には「1、大胆な金融政策、

金利(名目)はマイナスにはできない、

・インフレターゲッティングと強いコミットメントによって『予想を変える』

2、機動的な財政政策⇒『継続的な』財政出動

・消費税増税プライマリーバランス黒字化目標の経済正常化までの凍結

3、成長戦略

・本来、デフレギャップが埋まってから有効、需要喚起にも役立つ投資は積極的に

・これからが本格化。新しいビジョンが必要

4、ポストコロナの戦略:財政金融統合政策

などについて話されました。

また、財政出動について、公共投資に加えて企業の底辺の広い防衛費などの予算増加など沢山ある、との講演でした。

数日後にはYouTubeの動画を公開しますのでご覧下さい。

なお、第一回目の講師である中野剛志先生の動画は再生数3万3千回を超えました。

f:id:nakanishi-satoshi:20220317123027j:image

講演後、本田先生(右から2人目)、中村裕之共同代表(右端)、田所嘉徳議員(私の右隣)と記念撮影。

ウクライナへの我が国の支援

昨日9日、我が国はウクライナへの支援の為、防弾チョッキ、ヘルメット、防寒服、テント、カメラ、衛生資材、非常用糧食、発電機を、

小牧基地からKC-767輸送機でウクライナの近隣国まで輸送するため離陸しました。

なお、一部のマスコミでウクライナから対戦車ミサイルを送ってほしいとの要請があった、との報道がありましたが、日本政府は上記の資材以外の物資支援については何の発表もしておりません。

首相は所得倍増を実現するか

今朝の産経新聞に寄稿した原丈人氏の題名です。

原丈人氏は第一次安倍、福田、麻生政権で財務省参与として税率を上げずに税収を増やす政策を提言し、第二次安倍政権発足後の2013年からは内閣府参与として意見を述べ続けてきた。と本人が書いてある。

しかし、原丈人の提言は活かされて来なかった。

私は、岸田内閣のいう「新しい資本主義」とは原丈人氏の「公益資本主義」だと説明し続けてきました。

この寄稿文の中で3点をお知らせします。

まず、前提として

日本人の平均給与は過去30年間上がっていない

財務省法人企業統計によると、約280万社の平均給与は、1990年から2020年まで30年で年間約380万円とずっと変わっていない。その間に、教育、医療、住居費は上がったので、実質賃金は大きく下がり国民は貧しくなった。

その一方、小泉政権の時に始まった構造改革を進めた結果、会社の株主への還元は急速に増え、この20年間で上場会社の株主総還元額は10倍以上に増えた。」と書かれております。情けないが、これが現実です。

株主偏重の分配を是正する方法

「岸田首相は株の売買益などに課税する金融所得課税の増税を掲げた。・・・

例えば、2019年の上場自動車会社9社の平均配当額は1株91円だったが、私が会長を務めるアライアンス・フォーラム財団公益資本主義研究部門の計算結果では、このうち僅か15円を再分配するだけで、従業員平均給与は2倍に、役員報酬も5割増え、未来への投資額も増やせる。全社員の報酬が増えるので国の所得税収も増え、給与が増えれば会社の士気も上がり業績も株価も上がる。社員、会社、国、株主の四方良しとなる。反発を受けやすい金融所得課税の増税をしなくても所得倍増は可能だ。」

政府の財政支出について

「全国各地にやるべき仕事を作ること。まず、国民生活を守るためにすぐに必要な防災インフラと医療インフラ、劣化した堤防、トンネル、橋梁、鉄道交通インフラ整備などに大規模な政府支出をする。公的固定資産形成の充実である。毎年10兆円として最初の5年で50兆円は必要だろう。

 財源は新たな国債発行でよい。具体的には30年満期の個人向け公益国債とし、金利はつけないが、額面金額を相続税免除とする。免除が必要ない購入者には、変動金利をつけ政策金利とともに変動させる。

日本の個人金融資産は2千兆円あり、個人向け公益国債は国民を豊かにする国債として人気の投資対象となるだろう。政府の借金は増えるが、購入した国民にとっては資産となるため、将来の負担にはならない。」

我々「責任ある積極財政を推進する議員連盟」も同様な主張をしております。

ウクライナ情勢3/4

ウクライナ戦争のニュースが連日報道され、自民党では連日、党本部で政務調査会の外交部会、国防部会などの合同部会が開かれている。

今日からは外務省、防衛省などの負担軽減のため、午前8時から外交部会・国防部会・財務金融部会・経済産業部会の合同会議が開かれた。

ウクライナ情勢について、私はこれまでにブログで、ソ連崩壊後のウクライナ独立について概要を書いた。

今回の戦争の原因は、2014年のウクライナ騒乱(マイダン革命)に始まる。

2014年2月中下旬に首都キエフで勃発したウクライナ政府側とユーロマイダンデモ参加者の暴力的衝突の結果、当時のヴィクトル・ヤヌコヴィッチ大統領が失脚し、隣のロシアへ亡命することになった。

この騒乱の背後には米国の勢力があったとされている。

これに反発したプーチンは、この混乱の最中の2月、軍隊ではないが武装勢力を派遣してクリミア半島を侵略し併合した。そして東部二州で激しい戦闘が続いた。

その後東部二州(ドンバス地方)では2014年9月に停戦合意が締結されたが(ミンスク合意)、これも二度にわたって破られた。

ロシアとウクライナはそれぞれが相手が破ったと主張し、今回のプーチンによるウクライナ侵略に繋がった。

今回のロシアのウクライナ侵略に対して、国連では3月3日にロシア非難決議案が、賛成141ヵ国の圧倒的多数で可決された。

反対したのはロシア、ベラルーシ北朝鮮、シリアエリトリアの5カ国で、中国やインドなど35カ国が棄権した。

連日テレビニュースではウクライナの戦争の状態が流れているが、この映像を見る限りおそらくだれもロシアには加担しないであろう。

当初、ウクライナに対する武器支援に消極的であったドイツは、ここ数日非常に積極的になり、今朝のニュースでは、装甲車、対戦車ミサイル、対空ミサイル・スティンガーに加えて、ストレイラーと発言していたが、廃棄予定であった古い携帯型の対戦車ミサイルを送る、というニュースが流れている。

ロシア軍の進撃が予想以上に遅いのは、これらの携帯型の対戦車ミサイル、対空ミサイル(スティンガー)の影響が大きいのではないかと推測している。

またこれらのミサイルの取り扱いを指導するために米軍、英軍は、この戦争以前には軍人を派遣していた。両国とも戦争前に出国させたと言っているが、どの程度の人数が出国したかは明らかになっていない。

また、ロシア軍の燃料不足のニュースが流れているが、本当で有れば、短期間でウクライナを制圧出来ると考えていたのであろう。

 

中国のロシア支援

ロシアがウクライナ侵攻するにあたり、戦費の調達がいつまで待つか? ロシアは国の経済力に乏しいことは以前書いた。

ここ数日、中国がロシアからの天然ガス輸入を増やし、小麦も輸入増加するというニュースが流れている。

ウクライナ戦争のせいで原油価格も高止まりである。

ロシアに有利な状況が続く。

しかし、26日のロイター電によれば「米国、英国、欧州、カナダは26日、ロシアを国際銀行間の送金・決済システムのSWIFT(国際銀行間通信協会)から排除することで合意した。ウクライナへの侵攻を続けるロシアへの新たな制裁措置の一環。」との報道があった。

タイミングよく、今朝(27日)の産経新聞の日曜経済講座に、論説委員の田村秀男氏がこの件を書いている。

記事によれば、「ロシアはドルを中心とする国際金融市場から事実上、全面的に締め出されることになりかねない。」

一方で、「ロシアの金準備と保有米国債の推移を見ると、ロシアは2013年、1400億ドル近い米国債保有していたが、段階的に減らし、昨年11月には24億ドルとした。

代わりに急増しているのは金であり、13年に約400億ドルだった金準備を、20年には1400億ドル近くまで積み増した。」と書かれている。

ロシアは準備万端なのか。