習近平帝国のおわりのはじまり

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7月5日(水)、羽田空港内の本屋で見つけた、高知へ戻る飛行機で読み始め、先ほど完読した。

石平さんはYouTubeで独自の情報発信をしており、私はほとんど見ているので、本の内容はそこで話した内容がほとんどだ。

中国経済の昨年の落ち込み振りが激しい。

中国政府発表の、昨年の経済状況のデーターが出て来て、石平さんがYouTubeで解説しているが、この本には今年4月までの状況が書かれているが、それでも酷い。

私が再確認したのが以下の二つの出来事です。

以下にこの本から抜粋します。

「次のような前代未聞の出来事が今年2月に起きたのである。ひとつは、広西チワン族自治区の中心都市である南寧市の供電局(電気を供給する局)が同自治区の公安庁(日本で言えば自治区の警察本部)に送った1通の通告書を誰かがネット上に晒して大きな話題になったことである。

 通告書は、公安庁が電気代約48万3,000元(日本円で約936万円)を滞納したため、その支払いを催促するとともに、もし支払わないならば2月27日をもって電気の供給を止めるという内容である。

 もうひとつは2月28日、上海に近い江蘇省鎮江市の税務局の看板が掲げられている建物の玄関口で税務局の局員と称する数十人の人々が「給料を払え」というプラカードを掲げて、未払いの給料の即時支払いを求めるデモを行った事だ。この映像もやはりネットで全国に拡散された。これもやはり、本物の税務局の建物で起こった本物の税務局局員による本物のデモだった。」

以前にも、地方の役人の給料支払いが遅れているというニュースは流れた事があった。

「中国の場合、地方の警察や地方の税務局でも国家公務員と地方公務員という区別がなく、みんな国家公務員である。彼らの給料は本来、国家財政によって一律に支給され、その基準も全部決まっている。どこの警察も税務局も同じだ。しかも中国共産党の体制の中で公安局や税務局というのは、いちばん大事にされているところなのである。

 だが、それでも電気代を払ってないとか、職員が給料もらえないということが実際に起きたのだから、やはり国家財政そのものが深刻な危機に陥っていることがよくわかる。」

習近平が、昨年10月の中国共産党大会で、自分と対立する共青団派の最高幹部である李克強と汪洋を排除して、イエスマンのみで政治局常務員、いわゆるトップセブンを決めた事。

そして、その際、おかしな言動をしていた胡錦濤・前国家主席を強制的に会場から退去させた事が世界に映像で流れたが、その内幕にも言及している。

習近平は、中学入学の年に文化大革命の為に学校が閉鎖され、さらに16歳から約10年間「下放」で僻地へ追放されて、基本的な知識と知恵を付けるべき年代に正式な教育を受けていない。

つまり基本的な勉強が出来ていない。

経済も全く分かっていない。

それでも中国のトップまで上り詰めたのだから、特別な政治感覚を持っているのだろう。

しかし、これでは地方から反乱が起きる可能性があるのではないか。

最近の石平さんのYouTubeでは、もっと酷い事になっている。

不動産取引を表す固定資産投資額、個人消費額、自動車販売台数など、様々な中国政府発表の数字は昨年に比べて、平均して30%の減である。

若者の失業率は約20%、大学を卒業しても就職するところが無い。

また、産経新聞特別論説委員の田村秀男氏が、最近、自分の会員制のメールマガジンで、集中的に中国経済の危機的状況を解説して配信しており、こちらも石平さんと同じ見方だ。

また、田村秀男さんはフェイスブックでも一部を公開している。

そしてこの本の最後の章では、今年2月28日

連邦議会下院金融委員会は、台湾に関わる三つの法案、「台湾紛争抑止法案」、「台湾保護法案」、「台湾差別禁止法案」を圧倒的多数で可決した事が紹介されている。また、米連邦議会外交委員会も同日、「台湾への保証実行法案」を異議なし採決で可決したと書いている。

3法案の内容は、中国による台湾侵攻に対する経済面からの抑止、台湾の国際通貨基金IMF)参与支持などが含まれている。

とりわけ台湾紛争抑止法案は、この法案によって、もしも中国が台湾侵攻を行った場合には、米国内にある中国共産党高官の持っている隠し資産が凍結・没収される可能性が生じてくるとのことである。

中国政府高官にとっては最も頭の痛い法案が成立した。

台湾侵攻どころではないのではないか。