四国の電力事情

(6月27日 修正)

6月18日(水)の産経新聞に、エネルギー白書を閣議決定した記事が出ており、それによると、「原子力発電所を持たない沖縄電力を除く大手電力9社の火力発電所のうち、運転開始から40年以上経過した「老朽火力」が25年度に火力全体の約26%に達したと指摘。東日本大震災後に原発の代替電源として老朽火力にたよっている現状が改めて浮き彫りなった形で、白書は燃料コストや二酸化炭素排出量の増加、トラブルによる供給不足などを懸念している。」とのことである。

そこで四国電力の状況を調べるために、中村支店の中越支店長、沖田さんにお話を聞かせて頂いた。

 

現在稼働中の四国電力の火力発電所は以下の10か所である。

1、橘湾1号機(石炭)出力70万キロワット

2、西条1号機(石炭)出力15.6万キロワット(昭和40年11月運転開始、49年目)

3、西条2号機(石炭)出力25万キロワット(昭和45年6月運転開始、44年経過)

4、坂出1号機(LNG)出力29.6万キロワット(LNGコンバインドサイクル発電)

5、坂出4号機(LNG)出力35万キロワット(昭和49年5月運転開始、40年経過)

6、坂出2号機(石油)出力35万キロワット(昭和47年5月運転開始、42年経過)

7、坂出3号機(石油)出力45万キロワット(昭和48年4月運転開始、41年経過)

8、阿南2号機(石油)出力22万キロワット(昭和44年1月運転開始、45年経過)

9、阿南3号機(石油)出力45万キロワット(昭和50年8月運転開始、39年目)

10、阿南4号機(石油)出力45万キロワット(昭和51年12月運転開始、38年目)

以上合計で出力367.2万キロワットである。

その内、運転開始から40年を経過している発電所は6箇所の発電所で、合計出力177.6万キロワット、全体の約48%であり、全国平均より高い。

火力発電所の定期点検はボイラーが二年に一回、タービンが4年に1回で、3か月ほどかかるが、現在これらの10か所の発電所のうち8か所で定期点検を繰り延べしており、綱渡りの運転状況である。

この夏の需給見通しは、最大電力559万キロワットに対し、供給力は583万キロワットで予備力24万キロワット、予備率は4.3%となっている。(最低限必要とされる予備率は3.0%)

もし、出力24万キロワット以上の発電所8ヶ所のうちの一か所でも故障すれば、たちまち四国の供給電力の不足が起きる。

なお、日本の火力発電所は、発電効率の高いLNGコンバインドサイクル発電に切り替わりつつあるが、四国電力においても坂出1号機については、平成22年8月からこの発電に切り替わっている。また、坂出2号機についても現在リプレース工事を進めており、昨年11月に建屋、基礎工事を開始、2016年8月の稼働を予定している。